
米3Mの2025年第1四半期決算分析と株価動向:株価は対前日比+8%高
1はじめに
3Mは2025年4月22日に2025年第1四半期の決算を発表。3Mは同決算で売上高は対前年同期比で▲1%減少したものの、EPSは対前年同期比で+61%の増加となりました。同社の4月22日の株価は136ドル33セントで引け、対前日比では+8%の上昇となりました。
目次
2注目すべきポイント
売上減少にもかかわらず、EPSは大幅に増加
調整済み営業利益率の向上
2025年の業績見通しと関税感度
3売上減少とEPS増加の要因
売上高は60億ドルと前年同期比で1%の減少を示しましたが、EPSは61%増の2.04ドルに達しました。これは、会社が注力しているビジネスのファンダメンタルズの強化、新たな効率的な文化形成、戦略的な優先順位付けなどの成果と見られます。
4調整済み営業利益率の向上
調整済み営業利益率は23.5%と前年同期比で220ベーシスポイントの向上を示しました。これは、販売費及び一般管理費の効率化や生産プロセスの改善が影響していると考えられます。
3Mの成長戦略は、ビジネスの基本を強化し、企業文化を改革することに向けているため、利益率の向上が続くことが期待されます。
52025年の業績見通しと関税感度
3Mは2025年の見通しをアップデートし、調整後EPSを7.60ドルから7.90ドルとしています。また、関税感度がEPSに最大0.40ドルの影響を及ぼすと予測しています。
6アナリストとしての分析
3Mは営業効率を高めて収益構造を改善した一方、売上減少に悩んでいると考えています。市場環境や経済の不確実性から、タリフ(関税)による影響は避けられないかもしれません。企業改革の取り組みは評価に値しますが、今後は売上回復に向けた強化策が待たれます。
7まとめ
3Mの第1四半期決算は、売上減少にもかかわらず、効率化努力とコスト管理の成果がEPSの大幅増加に結びつきました。
市場や経済環境の不確実性に対する戦略的準備を進めながらも、売上増を目指す姿勢が重要です。
特に、トランプ政権による関税による影響を予期しつつ、長期的成長を維持するための革新的アプローチに市場は注目しています。同社がどのような事業戦略を描くのか、投資家は注目しています。
8参照記事
https://www.prnewswire.com/news-releases/3m-reports-first-quarter-2025-results-302433867.html
執筆者について

泉田 良輔
慶應義塾大学卒業後、日本生命やフィデリティ投信にて証券アナリストやポートフォリオマネージャーとして従事。現在は株式会社モニクルリサーチ代表取締役。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)