トヨタ自動車(7203)の株価はほぼ変わらずの▲0.65%下落。石破首相のトランプ関税交渉を様子見か。予想PER10.7倍、配当利回り3.7%
1はじめに
トヨタ自動車(7203)は、その事業基盤の強さで注目を集めています。
最新の株価動向から決算短信で示された経営成績、そして今後の業績見通しまで、同社の現状を深掘りすることで、その企業活動の全体像が見えてきます。
今回は、最新の株価とともに、直近の決算を振り返っていきましょう。
2トヨタ自動車の最新の株価動向と1年前の比較
トヨタ自動車(7203)の株価は、2025年6月17日時点で2538.0円となっています。これは前日営業日と比較して▲0.65%の下落です。
また、1年前の2024年6月17日の株価3074.0円と比較すると、▲17.44%の下落となりました。同社は東京証券取引所の輸送用機器に分類されます。
過去1年で見ると2割近く下落していることがわかります。もっとも、昨年の夏には、一時2100円をつける場面もありましたので、それと比較するとやや持ち直している印象はあります。
3トヨタ自動車の最新決算の内容からみる予想PERと予想配当利回り
2025年5月8日に発表されたトヨタ自動車(7203)の2025年3月期決算では、売上高48兆367億円、営業利益4兆7955億円、親会社株主に帰属する当期純利益4兆7650億円、EPS359.56円となりました。
2026年3月期の業績予想は、売上高が対前年度比+1.0%増の48兆5000億円を見込む一方、営業利益は3兆8000億円の▲20.8%減、また当期純利益は3兆1000億円の▲34.9%減を予想しています。
これら業績予想に基づくと、予想PERは10.7倍、予想配当利回りは3.7%となります。年間配当は2025年3月期実績の90円から、2026年3月期予想では95円に増配を見込んでいます。
4トヨタ自動車の今後の注目点
トヨタ自動車の決算から今後の注目点として、まず「もっといいクルマ」づくりの追求とモビリティカンパニーへの変革に向けた継続投資が挙げられます。
売上高を支える連結販売台数は8万台の微減ながらも、諸経費増の中で営業利益が高水準を維持している点は、強固な事業基盤を示唆しています。
特に、2026年3月期の業績予想では減益を見込む中で、人への投資や成長投資、資材価格・関税影響などを織り込んでいる点、そして年間配当を増配方針としている点は、将来への自信と株主還元への姿勢を示すものとして注目されます。
また、トランプ関税に揺れる自動車業界ですが、現在、石破首相が米国と関税パッケージについて議論している中で、どのような関税に落ち着くのか株式市場はかたずをのんで見守っています。

泉田 良輔CMA/一種外務員資格
