商船三井(9104)の 株価は前日比▲1.4%下落・予想配当利回り3.2%、予想PER9.6倍の「割安感」から下値は限定的との見方も
1はじめに
本記事では、海運業界大手である商船三井(9104)の最新の株価動向から決算内容、さらには今後の事業における注目すべきポイントまでを深く掘り下げて解説します。同社の現状を多角的に分析し、事業の健全性と成長性について考察します。
2商船三井の最新の株価動向と1年前の比較
2025年6月24日、商船三井(9104)の株価は4730円となりました。これは前営業日から▲1.4%の下落です。また、1年前の2024年6月24日の株価4807円と比較すると、▲1.6%の下落となりました。同社は東京証券取引所の海運業に分類されています。
3商船三井の最新決算の内容からみる予想PERと予想配当利回り
商船三井(9104)が2025年4月30日に発表した2025年3月期決算では、売上高1兆7754億7000万円、営業利益1508億5100万円、親会社株主に帰属する当期純利益4254億9200万円、1株当たり当期純利益1186.60円となりました。
2026年3月期の業績予想は売上高1兆7000億円(対前年度比▲4.3%)、営業利益1000億円(同▲33.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益1700億円(同▲60.0%)、1株当たり当期純利益492.10円を見込んでいます。これに基づくと予想PERは9.6倍、予想配当利回りは3.2%となります。2026年3月期の1株当たり年間配当金は150.00円を予想しています。
4商船三井の今後の注目点
2025年3月期は増収及び大幅増益を達成しました。コンテナ船事業、自動車船事業、ケミカル船をはじめとするエネルギー事業が好調だったことに加えて、円安の影響もみられました。
2026年3月期については、コンテナ船事業、自動車船事業、ケミカル船事業の市況がピークアウトする見通しです。米国の関税政策、いわゆるトランプ関税の影響によって、世界経済の停滞が懸念されるなかで、同社では荷動きの弱含みと円高の影響を見込み、対前年度で減収減益を見込んでいます。
5監修者コメント
減収減益予想を受けて、年間配当は従来の360円から150円に減配となりました。高配当利回り魅力の低下により、個人投資家のあいだでは資金をほかの高配当銘柄にシフトさせる動きもみられますが、事業ポートフォリオの安定性やPERなど指標面の割安さから下値は限定的との見方もできます。

高原祥子記者
