
元銀行員が語る「富裕層の共通点3選」もうすぐ富裕層となる「準富裕層世帯」についても紹介
2025年3月に厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査(令和6年)」によると、2024年にフルタイムで勤務する労働者の平均月収は33万400円となり、前年より3.8%上昇したことが明らかになりました。これは、1976年の統計開始以来、過去最高の水準です。
収入の伸びを背景に、家計の資産状況も良くなっているのではと感じる方もいるかもしれません。
金融資産の調査結果によると、純金融資産が1億円以上ある「富裕層」の増加が際立っていることがわかってきました。資産形成が進んでいる世帯と、そうでない世帯との格差が一段と広がっている現状も見えてきます。
そこで今回は、富裕層とされる人々の資産状況や構成をデータで整理しながら、彼らに共通する考え方や行動パターンについて、筆者の実体験を交えて紹介していきます。
日常の中に取り入れられる工夫もあるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。
1日本に「富裕層」はどのくらいいるのか
まずは、野村総合研究所(NRI)が2023年3月に発表した資料をもとに、「富裕層とは何か」について定義をみていきましょう。
1-1純金融資産の計算式
世帯の保有する金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など)の合計額からローンなど負債を差し引くと「純金融資産保有額」を割り出すことができます。
純金融資産=金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など合計金額)ー負債(ローンなどの合計金額)
この純金融資産保有額をベースに総世帯を5段階にランク付けしたものがマーケットの分類になります。5つの階層の定義と、各層における世帯数・保有資産は以下のとおりです。
1-2マーケットの分類(世帯の純金融資産保有額)
2023年:日本の富裕層「純金融資産保有額」と「世帯数」
出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」
1-2-1超富裕層(5億円以上)
11.8万世帯/135兆円
1-2-2富裕層(1億円以上5億円未満)
153.5万世帯/334兆円
1-2-3準富裕層(5000万円以上1億円未満)
403.9万世帯/333兆円
1-2-4アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満)
576.5万世帯/282兆円
1-2-5マス層(3000万円未満)
4424.7万世帯/711兆円
1-3日本に純金融資産5000万円以上の世帯…準富裕層は何世帯いるのか
富裕層の仲間入り直前の純金融資産保有額が5000万円超の世帯である「準富裕層」は403万9000世帯です。
アッパーマス層から超富裕層までは合計で1145万7000世帯。全世帯から見るとやはり「マス層」の世帯が大部分を占めていることがわかります。
少数派の富裕層ですが、どのような共通点があるのか気になる人もいるのではないでしょうか。
次からは、元銀行員であった私が見てきた「富裕層の共通点」を振り返っていきたいと思います。
2富裕層の共通点その1:時間を大切にする
富裕層の共通点1は、時間を大切にすることです。
富裕層は生活の中で時間を重んじて行動しています。富裕層は多忙な方が多く限られた時間の中で最大限のパフォーマンスを発揮しています。
時間を意識して行動することで効率よくやるべきことを完遂できるようになります。限られた時間で仕事を完遂するためには集中力が必要です。自分自身が集中できる環境を作ることも意識しましょう。
3富裕層の共通点その2:トレンドから学ぶ
富裕層が情報収集に敏感であることは、多くの成功者に共通する特徴の一つです。彼らは世の中のトレンドや経済の動きをただ観察するだけでなく、それを自分のビジネスや投資にどう生かせるかを常に考えています。
一見ビジネスとは関係ないように見える、人気のアイドルや10~20代の若い世代に人気のトレンドに詳しい方もいました。
広くトレンドをおさえることで時流をつかみ、新しいビジネスのアイディアにしているようです。
4富裕層の共通点その3:先を見据えて行動する
富裕層の共通点3は、先を見据えることです。
富裕層の多くは経済の動向や自分自身のことなど、ある程度先を見据えて行動しています。先のことを予測するために、情報収集と経験を積み重ねて自分なりのデータベースを作っているように見えました。
自分の興味関心のある情報や経験は意識しなくても身に着くものです。興味関心のない情報や経験をどう身に着けることができるのか、常に考えている傾向にありました。
5まとめにかえて
日本の富裕層はどれくらいいるのか、その内訳をデータとともに見てきました。物価の上昇により消費支出が増える中、富裕層が増えていることは意外と感じる人も多いのではないでしょうか。
また、筆者が出会ってきた富裕層の共通点についてもご紹介しました。特に、自身の成長プロセスを教育コンテンツとして体系化する過程を見せていただいたときは、富裕層ならではの発想力に驚いたことを覚えています。
今回ご紹介した内容は、すべてを一度に取り入れるのは難しいかもしれません。
まずは自分の行動を少しずつ見直し、できることから取り入れてみるのも良いのではないでしょうか。
6参考資料
