急速に普及が進むキャッシュレス決済。その中でも最も汎用性が高いのは「クレジットカード」でしょう。春から就職・進学などを控えた人の中には、初めての一枚を検討している人も多いはず。
クレジットカードは、使い勝手やポイント付与などの面でメリットが多い一方、使いすぎや不正利用などリスクが隣合わせとなることも確かです。
ここではクレジットカードを持つ9つのメリットと、クレジットカードの利用で生じる5つのデメリットについて解説します。
- クレジットカードの9つのメリット
- クレジットカードの5つのデメリット
- クレジットカードを作った方がいい人
- クレジットカードを作らない方がいい人
- 1-1.
- メリット1:支払いがスマートになる
- 1-2.
- メリット2:通販などで便利に利用できる
- 1-3.
- メリット3:ポイントが貯まる
- 1-4.
- メリット4:お金の管理がしやすい
- 1-5.
- メリット5:付帯サービスを受けられる
- 1-6.
- メリット6:付帯保険の各種補償を受けられる
- 1-7.
- メリット7:分割払いにすることができる
- 1-8.
- メリット8:クレジットヒストリー(信用履歴)をつくることができる
- 1-9.
- メリット9:現金がなくても買い物ができる
- 2-1.
- デメリット1:ついつい使いすぎてしまう
- 2-2.
- デメリット2:不正利用の被害に遭う可能性がある
- 2-3.
- デメリット3:手数料が発生する場合がある
- 2-4.
- デメリット4:キャッシングやリボ払いによる金利が発生する
- 2-5.
- デメリット5:支払期限を過ぎると遅延損害金が発生、カードが利用できなくなる
- 3.
- クレジットカードを作った方がいい人
- 4.
- クレジットカードを作らない方がいい人
- 5.
- 参考資料
1クレジットカードの9つのメリット
クレジットカードを持つメリットを9つ、挙げてみましょう。
- メリット1:支払いがスマートになる
- メリット2:通販などで便利に利用できる
- メリット3:ポイントが貯まる
- メリット4:お金の管理がしやすい
- メリット5:付帯サービスを受けられる
- メリット6:付帯保険の各種補償を受けられる
- メリット7:分割払いにすることができる
- メリット8:クレジットヒストリー(信用履歴)をつくることができる
- メリット9:現金がなくても買い物ができる
メリット1:支払いがスマートになる
クレジットカードのメリットのひとつに、支払いがスマートにできる点があげられます。
何よりもレジで財布から逐一現金を出す必要がありません。
お釣りの硬貨を床に落として、陳列台の下を探すようなことや、財布から小銭を出すのに手間取って、後ろの行列を気にすることも減るでしょう。
特に、コンビニなどのタッチ決済(Visaのタッチ決済、Mastercardコンタクトレス、JCBコンタクトレスなど)が使える店舗なら、専用の機器にカードをかざすだけで一瞬のうちに支払いが完了します。
メリット2:通販などで便利に利用できる
クレジットカードを使って決済することで、ネットショッピングをよりスムーズに進めることができるでしょう。
カード情報(カード番号、有効期限、セキュリティコード)などの必要事項をショップサイトのフォームに入力するだけで、決済が完了します。
代金引換で購入した際にかかる代引手数料や、金融機関への振込手数料などを支払う必要もありません。
ネット通販の利用機会が多い方は、本人認証サービス(3Dセキュア)への登録をおすすめします。クレジットカードの「不正利用のリスク」を最小限にとどめるために、有効な対策です。
国際ブランド名 | 本人認証サービス(3Dセキュア) |
---|---|
Visa | Visa Secure |
Mastercard | Mastercard SecureCode |
JCB | J/Secure |
アメリカン・エキスプレス | American Express SafeKey |
メリット3:ポイントが貯まる
多くの人がクレジットカードを選ぶ上で重視するのが、ポイント面でのメリットでしょう。
カードの利用金額に応じてポイントが貯まるしくみは、カード会社やカードの種類によっても異なりますが、おおむね以下のパターンのいずれかが採用されています。
ポイント還元率 | |
---|---|
200円(税込)のショッピングにつき1ポイント | 0.5% |
100円(税込)のショッピングにつき1ポイント | 1.0% |
1000円(税込)のショッピングにつき1ポイント | 0.3%~0.5% (交換アイテムごとに異なる) |
貯まったポイントは、次のアイテムに交換することが可能です。
- ショッピングの購入代金(割引)
- ギフト券、商品券、ギフトカード
- 各種電子マネーポイント
- サービスごとのポイント(Amazonなど)
- 航空会社のマイル(JAL、ANAなど)
メリット4:お金の管理がしやすい
お金の管理がしやすくなるのも、クレジットカードのメリットに含まれます。
クレジットカードの利用料金は、1カ月分がまとめて請求されます。
利用明細はカード会社ごとの会員専用ページで、以下のような項目を確認することができます。
- 利用したショップやサービス
- 利用した日付
- 利用金額
クレジットカードの利用明細は、家計簿アプリや会計ソフトなどと連動することも可能です。
お金の流れを「見える化」することで、家計管理などもしやすくなるでしょう。
メリット5:付帯サービスを受けられる
クレジットカードを持つメリットとして、「付帯サービス」も大きなポイントですね。
代表的な例を挙げると、提携店舗(飲食店、映画館、宿泊施設など)の利用時に、ポイント付与や割引などの優待サービスです。
演劇や音楽、スポーツ観戦などのチケットの優先予約や、空港ラウンジサービスが無料で利用できるクレジットカードも存在します。
行きつけのお店や施設、趣味や旅行で使う頻度が高いサービスなど、おトクに活用できる優待特典が多いクレジットカードを探してみるのも良いでしょう。
メリット6:付帯保険の各種補償を受けられる
クレジットカードによっては、以下のような各種保険が付帯されています。
- 海外旅行保険
- 国内旅行保険
- ショッピング保険
- カードの盗難や紛失の際の補償
旅行保険はカードを所持しているだけで補償が適用される「自動付帯」と、現地までの交通費や宿泊費などをカード決済することが条件となる「利用付帯」の2種類です。
一般的に、補償金額はカードのランクが上がるごとに充実していきます。
一般カード<ゴールドカード<プラチナカード
年会費が高額なカードほど、付帯保険の補償が手厚くなる傾向がある、と考えてよいでしょう。
メリット7:分割払いにすることができる
クレジットカードの支払方法には、以下のパターンが存在します。
- 翌月一括払い
- 2回払い
- ボーナス一括払い
- 分割払い(3回以上)
- リボルビング払い(リボ払い)
基本は翌月一括払いですが、ショップや商品によっては分割払いを選ぶことも可能です。
ちょっと支払いが厳しい…という際には、計画的に分割払いを検討するのもいいかもしれません。
※金利および手数料がかかります
ショップによっては2回払いや分割払い、ボーナス一括払いを受け付けていないケースもあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
メリット8:クレジットヒストリー(信用履歴)をつくることができる
クレジットカードを利用することで、次の信用情報機関にクレジットヒストリー(信用履歴)が記録されます。
- CIC(株式会社シー・アイ・シー)
- JICC(株式会社 日本信用情報機構)
- 全国銀行個人信用情報センター(一般社団法人 全国銀行協会)
クレジットヒストリーは、クレジットカードの新規発行や更新の際の与信審査で用いられる指標です。
一定以上の金額を利用し、期限に遅れることなく支払いが済んでいる限りは、良好なクレジットヒストリーが積み重なります。
メリット9:現金がなくても買い物ができる
手持ちの現金がなくても買い物ができるのも、クレジットカードのメリットです。
お店の入口やレジ付近にVisaやJCBなどのロゴマークが提示されていれば、クレジットカード決済に対応しています。
キャッシュレス決済を徹底したい方は、お手持ちのクレジットカードをスマホ決済アプリ(PayPayやd払いなど)への登録がおすすめです。
店舗やカードの種類によっては、より多くのポイントが貯まる可能性があります。
2クレジットカードの5つのデメリット
クレジットカードにはポイントが貯まる点や優待サービスなどのメリットがある一方、次の5つのデメリットが隣合わせとなります。
- ついつい使いすぎてしまう
- 不正利用の被害に遭う可能性がある
- 手数料が発生する場合がある
- キャッシングやリボ払いによる金利が発生する
- 支払期限を過ぎると遅延損害金が発生、カードが利用できなくなる
デメリット1:ついつい使いすぎてしまう
クレジットカードは容易にショッピングができるため、利用料金が高額化しやすい傾向があるのは否めません。
現金やデビットカードは、金融機関口座の残高が0円の時点でショッピングができなくなります。
クレジットカードの場合は、口座に残高がなくても利用限度額の範囲内でショッピングが可能です。
クレジットカードの支払日(引き落とし日)に、残高不足で支払いができなくなるケースもめずらしくありません。
ご自身の収入や生活費などと照らし合わせた上で、月々のクレジットカードの利用金額の上限を決めておくことをおすすめします。
デメリット2:不正利用の被害に遭う可能性がある
一般社団法人 日本クレジット協会が公表した「日本のクレジット統計2021年度版」によると、クレジットカードの不正利用被害総額は年間で330億1000万円(2021年度)です。
クレジットカードの使用によって、不正利用の被害に遭うリスクも生じるということです。
こまめな利用明細の確認や本人認証サービス(3Dセキュア)への登録、カード利用ごとの通知設定などが不正利用対策となり得ます。
カード情報が券面に記載されていないタイプを選ぶのも不正利用対策のひとつです。
デメリット3:手数料が発生する場合がある
クレジットカードの利用明細を郵送にした場合、発行手数料が請求されるケースがあります。
カードの利用明細は、スマホアプリ(無料)や会員専用ページからチェックするのがおすすめです。
それからカード会社やカードの種類によっては、紛失や盗難の際の再発行手数料が発生します。
事前に「○○カード 再発行 手数料」などでネット検索しておくと良いでしょう。
デメリット4:キャッシングやリボ払いによる金利が発生する
クレジットカードは、支払方法に応じた金利手数料が発生します。
支払方法 | 金利手数料 |
---|---|
1回払い | 無料 |
2回払い | 無料 |
ボーナス一括払い | 無料 |
分割払い(3回以上) | 有料 ※カード会社ごとに異なる |
リボルビング払い(リボ払い) | 有料 ※カード会社ごとに異なる |
この中で、金利手数料がプラスされるのは「分割払い」と「リボ払い」です。
支払回数が多ければ多いほど、金利手数料と支払総額が高額となります。
そのため可能な限り、支払回数を少なくすることが大切です。
また、多くのクレジットカードには、ショッピング枠のほかに「キャッシング枠」が設けられています。
キャッシングで現金はすぐに手に入りますが、金利手数料が加わるリボ払いが基本です。
リスク回避のためにも、キャッシング枠を「0円」に設定しておくことをおすすめします。
デメリット5:支払期限を過ぎると遅延損害金が発生、カードが利用できなくなる
クレジットカードの利用料金は、あらかじめ設定した支払日に口座振替の形で支払うことが一般的です。
支払日の時点で残高不足の場合には、カード会社から督促の連絡が届きます。
その際には遅延損害金が発生するだけでなく、カードが一時的に利用停止となることがほとんどです。
何らかの事情で支払日に遅れそうなときには、カード券面に記載されている電話番号に連絡後、担当者と支払方法について相談することをおすすめします。
3クレジットカードを作った方がいい人
クレジットカードを作った方がいい人は、以下のタイプのいずれかに当てはまる方です。
- カードのポイントを貯めたい方
- ネット通販の利用機会の多い方
- 提携ショップなどの優待特典を受けたい方
- タッチ決済を使ってみたい方
- セルフレジを使用する方
- スマホ決済アプリを利用する方(ポイントの二重取りも可能)
- お金の管理を楽ちんにしたい方
- 海外に行く機会の多い方(旅行保険、空港ラウンジサービスなど)
特に海外に旅行や出張などで訪れる機会の多い方は、クレジットカードの保有を強くおすすめします。
ポイントを効率よく貯めたい方は、「還元率1.0%以上」のクレジットカードから選ぶと良いでしょう。
dカード
- 基本のポイント還元率が1.0%
- d払いとの相性抜群
- 購入後1年間最大1万円のケータイ補償
- 電子マネーiDに対応
イオンカード(WAON一体型)
- イオングループ対象店でポイントが基本の2倍貯まる(基本は200円につき1ポイント)
- 毎月20日・30日のお客様感謝デーで買い物代金5%OFF
- イオンシネマで映画鑑賞割引
- 電子マネーWAON一体型
楽天カード
- 基本のポイント還元率1.0%
- 楽天市場では3.0%のポイント還元率
- 提携店が多くポイントが貯めやすい
- 通常ポイントは有効期限が更新される
- 2枚目のカード発行可能
リクルートカード
- 年会無料
- 常時ポイント還元率1.2%
- 国際ブランドはVisaとMastercardとJCBの3種類
- ポンパレモールなどで最大4.2%還元
- 最大2000万円補償の海外旅行傷害保険と、最大1000万円補償の国内旅行傷害保険が付帯
4クレジットカードを作らない方がいい人
クレジットカードを作らないほうがいい人には、次のパターンがあげられます。
- ついつい使いすぎてしまいそうな方
- 短期間(数カ月~1年程度)での転職が多い方
- 携帯電話料金を滞納したことがある方
使いすぎに関してはカードの利用限度額の減額や、アプリによる利用状況の管理などが対処法です。
また、短期間での頻繁な転職歴は、クレジットカードの新規申込時の審査に響くことも考えられます。
さらに、携帯電話料金を滞納した経験がある方も要注意です。
携帯端末を分割払いで購入した場合、月々の携帯電話料金にはスマホの購入代金が含まれています。
信用情報機関の事故情報「異動」(延滞)が記録されているかもしれません。
不安な場合にはCICまたはJICCにて、ご自身の信用情報を照会(有料)することをおすすめします。
クレジットカードを作るメリットとして、現金がなくてもモノやサービスが購入できること、ポイントが貯まる、高額な商品に関して分割払いが可能といった複数のメリットがあります。こうしたメリットの他、忘れてはならないのが、クレヒスを高めることができること。
クレヒスはクレジットヒストリーの略であり、クレジットカードの利用を継続することで信用度を高めることができるのです。仮にクレジットカードを保有していない場合には、このクレヒスを積むことができず、年齢がかさめばかさむほど後々に初めてクレジットカードをつくるとなると作成が難しくなる可能性があります。
一方、クレヒスを積むことで、複数のクレジットカードをつくることも可能となるほか、クレジットカード利用額の拡大など様々なメリットを得ることもできます。
キャッシュレスが進む中、少なくともクレジットカードを1枚は持っておきましょう。デメリットを上回るぐらいのメリットを得ることができると考えます。
5参考資料
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- 支払いがスマートになる
- 通販などで便利に利用できる
- ポイントが貯まる
- お金の管理がしやすい
- 付帯サービスを受けられる
- 付帯保険の各種補償を受けられる
- 分割払いにすることができる
- クレジットヒストリー(信用履歴)をつくることができる
- 現金がなくても買い物ができる
- ついつい使いすぎてしまう
- 不正利用の被害に遭う可能性がある
- 手数料が発生する場合がある
- キャッシングやリボ払いによる金利が発生する
- 支払期限を過ぎると遅延損害金が発生、カードが利用できなくなる
-
いい評判①ポイントが付くことが多い
-
いい評判②使用履歴がわかる
-
イマイチな評判①ネットでクレカは使うのリスクを感じる
-
イマイチな評判②使いすぎてしまいそうで怖い
・クレジットカードは支払いがスマートになるほか、通販などで便利に利用できるのが特徴
・ポイントが貯まるほか、クレジットヒストリー(信用履歴)を作れるのも魅力
・ついつい使いすぎてしまう点には注意