投資信託のやり方(始め方)を徹底解説!商品選びのコツやおすすめの証券会社も紹介!
投資信託は、投資のプロが私達一般投資家に代わって資産運用を行う金融商品です。
投資初心者の人で投資信託を検討しているという方は多いでしょう。
一方で投資信託という耳慣れない言葉に対し、以下のような思いを抱いている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は投資信託の始め方について詳しく解説します。
あわせて運用商品選びのコツやおすすめの証券会社なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- 2-1.
- 少額から始められる
- 2-2.
- 資金運用をプロに任せられ、手軽に分散投資のメリットを得られる
- 2-3.
- NISAを活用できる
- 3.
- 投資信託の始め方
- 3-1.
- STEP1:開設する証券口座を選ぶ
- 3-2.
- STEP2:証券口座を開設する
- 3-3.
- STEP3:運用する投資信託を検討・選択する
- 3-4.
- STEP4:投資信託を購入する
- 3-5.
- STEP5:基準価額の推移や資料をチェックする
- 4-1.
- 「分配金なし」の投資信託を選ぶ
- 4-2.
- つみたて投資をする
- 4-3.
- 非課税制度を活用する
- 4-4.
- クレジットカードを活用する
- 6-1.
- 信託報酬の低い銘柄を選ぶ
- 6-2.
- インデックス・ファンドの中から選ぶ
- 6-3.
- 純資産総額の高い銘柄を選ぶ
- 6-4.
- つみたてNISA対応の銘柄を選ぶ
1【投資初心者向け】投資信託とは?
投資信託とは、たくさんの一般投資家から少しずつお金を集め、まとまったお金にして、そのお金を資産運用のプロであるファンドマネージャーが運用する商品です。
100円などの少ない金額から投資を始められ、実際の運用はファンドマネージャーが行ってくれるので、投資初心者の方でも利用しやすい金融商品となっています。
また、投資信託の多くは様々な資産や地域に分散投資を行っているため、投資初心者であってもリスクを抑えた資産運用が可能です。
- 分散投資によってリスクを抑えつつリターンを得ることが可能とされています(ポートフォリオ理論)。
利益に対して税金がかからないNISAやiDeCoの対象になっている点も投資信託の魅力です。
2投資信託は投資初心者におすすめ!どんなメリットがある?
投資信託の主なメリットは以下の3つです。
以下ではそれぞれの項目についてわかりやすく紹介します。参考にしてください。
少額から始められる
投資信託は月100円など少ない金額から始められます。
また、証券会社によってはTポイントなどの共通ポイントで投資信託を購入することができます。
<ポイント投資ができる証券会社例>
証券会社 | 使えるポイント | レート |
---|---|---|
SBI証券 | Tポイント SBI証券限定Tポイント Pontaポイント |
1ポイント1円 |
楽天証券 | 楽天ポイント 楽天証券ポイント |
1ポイント1円 |
auカブコム証券 | Pontaポイント | 1ポイント1円 |
資金運用をプロに任せられ、手軽に分散投資のメリットを得られる
投資信託の実際の運用は、資産運用のプロであるファンドマネージャーがおこないます。
よって、日々のマーケットの動向を細かく気にする必要はありません。
また、通常、投資信託は1つの商品で様々な資産や地域に分散して投資をしているため、商品を購入することがすなわち分散投資をしていることになります。
分散投資にはリターンを維持したままリスクを低減する効果が期待できるほか(ポートフォリオ理論)、クーデターや災害に起因する価格変動リスク(地政学リスクやカントリーリスク)を低減する効果も期待できます。
NISAを活用できる
投資信託は、非課税制度のNISAを利用できます。
通常、投資の利益には20.315%の税金がかかりますが、NISAを活用すればこれが非課税となるのです。
NISAには一般NISAとつみたてNISAの2種類があり、それぞれ非課税投資枠*1の範囲内における投資の利益が、一定期間無税となります(一般NISAは5年、つみたてNISAは20年)。
*1…1年間に投資できる上限金額のこと
3投資信託の始め方
投資信託の始め方についてまとめました。主なステップは5つあります。
それぞれのステップについてわかりやすく紹介します。
STEP1:開設する証券口座を選ぶ
まずは投資信託を購入するために証券口座を開設しましょう。
証券会社は大きく分けてネット証券と店舗型証券の2種類ありますが、おすすめはネット証券です。
オンラインで取引を完結できるほか、つみたてNISA*2やiDeCo*3といった非課税制度の対象となる(投資信託の)商品ラインナップが豊富だからです。
主なネット証券と店舗型証券のスペックを比較しました。
ジャンル | 証券会社名 | つみたてNISA商品数 | iDeCo商品数 |
---|---|---|---|
ネット証券 | SBI証券 | 186 | 34 |
〃 | 楽天証券 | 185 | 29 |
〃 | 松井証券 | 183 | 30 |
店舗型証券 | SMBC日興証券 | 158 | 26 |
〃 | 大和証券 | 22 | 21 |
〃 | 野村証券 | 7 | 24 |
※つみたてNISAの商品数は2022年3月20日調査時点
※iDeCoの商品数は3月15日時点(ターゲットイヤーファンドは1つにまとめて計算)
つみたてNISAやiDeCoを利用した投資信託の運用を検討しているのであれば、商品数が豊富なネット証券をおすすめします。
*2…毎年一定範囲の投資信託への投資に関して、その利益が非課税となる制度
*3…毎月掛金を拠出し、投資信託を運用する私的年金制度。利益が非課税となるほか、所得税・住民税の節税メリットなどが受けられる
STEP2:証券口座を開設する
利用する証券口座が決まったら、その会社のHPにアクセスし、開設手続きを始めましょう。
ネット証券を中心に、今は簡単にインターネットで証券口座の開設を完結できます。
免許証やマイナンバーカードなどの書類もインターネットでアップロードすることによって提出できるので、最短即日で取引が可能となる証券会社もあります。
STEP3:運用する投資信託を検討・選択する
証券口座の開設をしたら、運用する投資信託を選択しましょう。
なかなか選ぶのが難しい場合は、まずはつみたてNISAの対象商品から始めることをおすすめします。
なぜならつみたてNISAに該当する商品は金融庁が決めた厳しい基準を満たさなければ採用されないからです。
商品内容が初心者にもわかりやすく、手数料も低いので安心して利用できます。
STEP4:投資信託を購入する
購入する投資信託が決まったら、いよいよ実際に購入手続きを行います。
まずは証券口座へ入金しましょう。その後、銘柄の買付けへと進みます。
以下のような項目に関して、入力・設定を行い、銘柄を購入します。
- 買付け方法の選択(一括購入orつみたて投資)
- 預り区分(一般預かり・NISA預かりなど)
- 購入金額
- (つみたて投資の場合)購入頻度
投資信託の購入手続きもネット証券であればオンラインで完結できます。
STEP5:基準価額の推移や資料をチェックする
投資信託の購入が終わったら基準価額の推移や運用報告書などの資料をチェックするようにしましょう。
実際の運用は、資産運用のプロであるファンドマネージャーが行っているので、逐一マーケット環境をチェックする必要はありません。しかし、せっかく自分で選んで購入した投資信託です。どうなっているかは定期的にチェックするようにしましょう。
できれば、決算期ごとに発行される運用報告書については、毎回確認するようにしてください。儲かった利益やかかった費用、今後の運用方針などが記載されています。
4投資信託を運用する時のコツ4選
投資信託を運用するコツはたくさんありますが、ここでは主なものとして以下の4つ紹介します。
わかりやすく説明しますので、参考にしてください。
「分配金なし」の投資信託を選ぶ
投資信託の中には、「分配金」を受け取る投資信託があります。
分配金とは、投資家に分配される投資信託の利益です。株式でいう配当金のようなもので、毎月や毎年などあらかじめ決められた日(決算日)に出るものになります。
分配金を受け取ることができると嬉しいと思う投資家は多いですが、極力、分配金なしの投資信託を選ぶようにしましょう。なぜなら、いったん分配金として収益を運用資金から出してしまうと再投資による複利効果が薄まってしまうからです。
複利効果とは、投資元本に利益を積み重ねることによってより大きな利益を出す効果になります。分配金を私達一般投資家向けに出してしまうと、この複利効果がなくなるので注意してください。
また分配金は基本的には利益から出しますが、投資信託によっては、利益が出ていない状態でも、分配金を出すものがあります。
元本を削って分配金を出している場合もありますので注意してください。
つみたて投資をする
投資信託を初めて利用する場合、一括購入よりもつみたて投資がおすすめです。
つみたて投資とは、一定の間隔と金額で投資信託を購入していく方法で、ドルコスト平均法とも呼ばれています。
購入タイミングを分散することから、結果的に平均購入単価が安定し、投資信託の値段が高い時にまとめて購入してしまうリスクを回避する効果が期待できます。
つみたて投資は一度設定すれば、後は自動的に毎月の購入処理を行ってくれるため、忙しい社会人や主婦(主夫)にとってもメリットになるでしょう。
非課税制度を活用する
いくつかの投資信託は一般NISAやつみたてNISA、iDeCoといった非課税制度の対象となっています。
これらはいずれも利益に対して税金がかからない制度であるため、積極的な利用をおすすめします。
- 2024年からは新NISAがスタートします。非課税となる投資金額の上限がアップするなど、現行の一般NISAやつみたてNISAよりも便利でお得な制度に生まれ変わります。
- iDeCoは毎月掛金を拠出して、投資信託などを運用する私的年金制度です。掛金が所得控除となるので、所得税・住民税を節税できるほか、運用益が非課税となるなどのメリットがあります。
クレジットカードを活用する
最近は、多くの証券会社でクレジットカードを使って投資信託の購入ができます。
クレジットカードで投資信託を購入するとポイントが付くので非常にお得です。
クレジットカードで投資信託の購入ができる主な証券会社をまとめましたので、参考にしてください。
証券会社 | ポイント還元率 | 利用できるクレジットカード | 貯まるポイント |
---|---|---|---|
SBI証券 | 0.5~5.0% | 三井住友カード | Vポイント |
楽天証券 | 0.2~1.0% | 楽天カード | 楽天ポイント |
マネックス証券 | 1.1% | マネックスカード | マネックスポイント |
auカブコム証券 | 1.0% | auPAYカード | Pontaポイント |
5【コラム】時間がない人はロボアドバイザーがおすすめ
投資になかなか時間をかけられない方はロボアドバイザーを利用するのも良いでしょう。
投資信託はプロに資産運用を任せられるとはいえ、その銘柄数は5949本(公募投資信託※2023年2月末現在)にも及びます。その選定には多大な手間と時間がかかることは間違いないでしょう。
その点、ロボアドバイザーは簡単な質問に答えるだけで、その人に合ったポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)や投資信託商品を提案してくれるサービスで、提案までなら無料で利用できるものもあります(助言型)。
また手数料を支払えば、購入やリバランスといった運用も行ってくれるので(自動運用型)、忙しくて投資に時間がかけられない人であれば自動運用型も検討してみましょう。
6投資信託の選び方
こちらの章では、投資信託の選び方を4つのポイントにまとめました。
それぞれの選び方についてわかりやすく説明しますので、参考にしてください。
信託報酬の低い銘柄を選ぶ
投資信託を選ぶ際は、手数料に注目するようにしましょう。投資信託の手数料には主に3つの種類があります。
- 購入時手数料
- 信託報酬
- 信託財産留保額
購入時手数料と信託財産留保額については、ネット証券を中心に無料の場合が多いです。
しかし、信託報酬については投資信託を保有している限りかかる手数料になります。
長期保有をすればするほど信託報酬の差によって運用成績は大きく変わりますので、注意してください。
例えば、全く同じ日経平均株価に連動しているインデックス・ファンドでも投資信託によって信託報酬に違いがあります。極力、信託報酬の低い投資信託を選ぶようにしましょう。
おすすめは信託報酬0.2%以下の銘柄です。
インデックス・ファンドの中から選ぶ
初めて投資信託を運用する際は、インデックス・ファンドの中から選ぶのが良いでしょう。
インデックス・ファンドとは、日経平均株価やNYダウなどの株価指数などに値動きを連動させることを目指す投資信託になります。
株価指数と同様の動きをするので、値動きがわかりやすく信託報酬も低いのが特徴です。
またファンドマネージャーが銘柄を厳選して運用するアクティブ・ファンドに比べると、分散性が高くなっており、比較的リスクを抑えた運用が期待できます。
純資産総額の高い銘柄を選ぶ
投資信託を選ぶ際は、純資産総額にも注目してください。
純資産総額は基準価額(投資信託の値段)×総口数(すべての投資家が保有する口数の合計)で求められ、投資信託の人気度を測るバロメーターとなります。
目安は様々ですが、最初は1000億円以上を1つの目安にすると良いでしょう。また、100億円以上の純資産総額があると安定した運用が期待できます。
つみたてNISA対応の銘柄を選ぶ
投資信託を選ぶ際はつみたてNISA対応の銘柄(商品)を選ぶようにしましょう。
つみたてNISAの対象商品であれば、年間40万円分の投資から得られる利益が最大20年間非課税となります。
また、つみたてNISAに採用されている投資信託は金融庁の基準を満たしたものとなっており、とくに長期の積立・分散投資に適しています。
日本の公募投資信託の数は5949本にも及びますが(2023年2月末現在)、つみたてNISAの対象商品は226本と厳選されているので(4月25日時点※金融庁HPより)、投資初心者であっても難しいことを考えることなく商品を選ぶことができるでしょう。
7【まとめ】投資信託を始めるならまずは証券口座の開設から!
投資信託の利用には、まず証券口座の開設が必要となります。本記事ではおすすめの証券会社を紹介しているので、そちらを参考にご自身に合った証券会社を選んでみてください。
口座を開設したら「つみたて投資」を始めてみましょう。本記事で紹介した銘柄を参考に運用商品を決め、買付け設定をすれば投資をスタートできます。
つみたて投資ならクレジットカード決済で月々の購入処理を自動化できるほか、毎月100円からの運用も可能です。
8参考資料
- 投資信託協会「投資信託の全体像(純資産総額・ファンド本数)直近データのバックナンバー」
- 金融庁「つみたてNISAの対象商品」
- 金融庁「つみたてNISAの概要」
- iDeCo公式サイト「iDeCo(イデコ)のイイコト」
「運用すべき銘柄(商品)や自分が口座開設するべき証券会社がわからない…」