この記事を読んでわかること
- 証券会社とは、株を買いたい人と売りたい人の間に入って、証券取引所で株の売買を行う役割を持っています。
- 株式投資(株の売買)を行うためには、必ず証券会社を通さなくてはならず、いずれかの証券会社で証券口座を開設する必要があります。
- 昨今は、ネット証券会社の登場により、インターネットを介して比較的簡単に口座開設ができるようになっています。
泉田 良輔 CMA
1証券会社とは何か
証券会社とはそもそもどのような役割を持っているのでしょうか。証券取引所との違いなどを説明しながら、個人が株式の発注をする際の流れを説明します。
証券会社と証券取引所の違い
私たちが株を買いたい、株を売りたいと思った時、テレビのニュースなどで放送される証券取引所に直接行くわけではありません。仮に行ったとしても、絶対にお断りされます(笑)。証券取引所は間違いなく株式の売買が行われる場所ではありますが、その売買に誰もが関われるわけではありません。
証券取引所で株式取引をするためには、証券取引所に対して取引資格の取得を申請し承認を得なければなりません。
また、取引参加者としての承認を得るためには自己資本規制などをクリアしなければならず、誰もが株式の売買に関われるわけではありません。
どういった金融機関が取引参加者(総合取引参加者)かどうかは日本取引所グループのウェブサイトが詳しいので、そちらをご参照ください。
証券会社は投資家を代表して売買の仲立ちをする役割
さて、個人投資家が株式の売買をしたいということになればどのような流れになるのでしょうか。
株式の場合、買いたい人の代わりに取引所で株を買うのも、売りたい人の代わりに株を売るのも、その仲立ちをする証券会社に依頼をするということになります。
財務体質がしっかりとした証券会社などが証券取引所で投資家の仲立ちとして売買に関わることでスムーズに取引が成立することになります。
最近の取引システムは自動化、また高速化されており、そうしたシステム対応ができる金融機関であることが前提でなければ円滑な取引を行うことができません。
2証券会社の種類とは
証券会社にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、事業規模や事業立地、サービスの内容に沿って説明していきます。
- 証券会社の種類とは
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- 証券会社の規模による種類分
- 証券会社の事業立地による種類分けーリアル(対面型)かネット(インターネット)
- 証券会社のサービスの違いによっての種類分け
証券会社の規模による種類分け
証券会社の区別として明確な基準があるわけではありませんが、事業規模や業態によって、大手証券、準大手証券、地場証券、ネット証券などと区別して呼ばれることがあります。
いわゆる大手証券は、野村証券、大和証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SMBC日興証券、みずほ証券が該当します。
証券会社の事業立地による種類分けーリアル(対面型)かネット(インターネット)
大手(メガバンク系列証券会社及び野村證券や大和証券)、準大手(岡三証券など)、地場証券などは一般的に店舗を持つ証券会社が多く、皆さんもその店舗をよく目にするかもしれません。対面型証券と呼ばれます。
一方、ネット証券はその名の通りインターネット上で株式の売買をすることができる証券会社です。
証券会社のサービスの違いによっての種類分け
対面型証券は、お客様と直接お会いし、対面でのサービスを主眼としています。売買手数料はネット証券と比較すると高くなっています。手数料が高くなるのは営業マンなどの人件費をまかなうためです。
一方、ネット証券はその名の通りインターネット上で株式の売買をすることができる証券会社です。対面でのサービスはありませんが、投資情報やトレード(取引)ツール、売買手数料の安さなどが魅力です。
株式の売買手数料が無料または安いことだけではなく、投資信託の売買手数料を必要としないノーロードファンドの取り扱いも多いことからネット証券の会員数は年々増加傾向にあります。
3ネット証券では簡単に口座を作れる
私たちが株式投資を行う、つまり株を買ったり、売ったりするためには、必ず証券会社を通さないといけないということがお分かりいただけたかと思います。
一方で「わざわざ証券口座をつくるのに証券会社に出向くのも面倒だな」とか「あれこれ勧誘されるんじゃないの?」とか、少し億劫に感じるかもしれません。
こういうちょっと面倒くさがり屋の人でも以前よりはるかに簡単に、株式投資が始められるようになりました。一番の立役者は、無料で口座が開設できるネット証券会社の登場です。
「株を買いに(売りに)証券会社へ行く」という行動様式には、全く変わりはありません。
しかし、ネット証券の登場により、実際に外出しなくても証券会社にアクセスできるようになったことは大きな変化です。
ネット証券であれば、インターネットさえつながれば、いつでも、どこにいても注文(指示)ができます。株の売買の時にかかる取引手数料も、実際の店舗持つ証券会社に比べると無料か、非常に低い水準となっています。
また、ネット証券に口座を持っていれば、アナリストレポートを無料で読むことができたり、情報収集ツールが無料で提供されたりもしています。オンラインセミナーなどで勉強も可能です。
「まずは証券口座の開設から」という人には、インターネットを介して気軽にアクセスできるネット証券の存在は極めて有用だといえます。
人気のネット証券は「どこが人気?社内アンケートから分かったネット証券人気ランキング!」で紹介しています。ぜひ参考にしてください。
4まとめ
いかがでしたでしょうか。
株式投資と証券会社は切っても切れない関係です。自分の投資スタイルがまだわからないという人は、ネット証券に何社か口座を作ってみて、使いながら自分にぴったりの証券会社を見つけていくのがおすすめです。
5参考資料
- 日本取引所グループ「総合取引参加者の自己資本規制比率」
- 日本取引所グループ「取引参加者一覧」
泉田良輔