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昇給なしを理由に退職する際の伝え方と面接での答え方を完全解説

昇給なしを理由に退職する際の伝え方と面接での答え方を完全解説

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「頑張っているのに給料が上がらない…」

「このまま昇給なしの会社にいて将来は大丈夫だろうか?」

こんな悩みを抱えていませんか?

この記事を読めば、昇給がないことを理由に円満退職するための伝え方から、転職面接で好印象を与える回答方法まで、具体的な例文付きで理解できます。

以下の内容についてご紹介します。

  • 昇給なしを退職理由として伝える際の例文5選
  • 転職面接で好印象を与える回答例文5選
  • 退職を決断する前に確認すべき5つのポイント

昇給への不満は、キャリアを見直す良い機会です。

この記事を参考に、ご自身の市場価値を正しく把握し、より良い条件の企業への転職を検討してみてはいかがでしょうか。

1昇給なしを退職理由として伝える際の例文5選

昇給がないことを退職理由として伝える際は、不満をストレートにぶつけるのではなく、前向きなキャリアプランや将来への展望と結びつけて話すのが円満退職のコツです。ここでは、状況に応じた5つの伝え方を例文とともに解説します。

1-1【例文1】前向きな成長意欲を強調する伝え方

給与への不満を直接的に表現するのではなく、自身の成長意欲やキャリアアップへの思いを前面に出すことで、ポジティブな印象を与える伝え方です。現職への感謝を述べつつも、次のステージへ進みたいという前向きな姿勢を強調します。

「これまでの業務を通じて多くの経験を積ませていただき、心から感謝しております。その中で、より専門性を高め、新たな分野にも挑戦したいという気持ちが強くなりました。現職では得難い経験を求め、新しい環境で自分の可能性を試したいと考えております」

この伝え方は、会社への不満ではなく、あくまで自己成長を目的とした転職であることを示すため、上司も引き止めにくく、応援したいという気持ちになりやすいでしょう。

1-2【例文2】市場価値とのギャップを理由にする伝え方

自身のスキルや経験を客観的に評価し、現在の給与水準が市場価値と見合っていないことを冷静に伝える方法です。感情的にならず、事実を基に話すことで、論理的で説得力のある退職理由となります。

「近年の業務を通じて、〇〇のスキルを習得し、プロジェクトで△△といった成果を上げることができました。自身の市場価値を客観的に把握するため、外部のサービスなども参考にした結果、現在の待遇との間に乖離があると感じております。自身の能力を正当に評価していただける環境で、さらなる貢献を目指したいと考えております」

この伝え方をするには、事前に転職エージェントなどを活用して、自分の市場価値や同業種の年収相場を調べておくことが不可欠です。具体的な根拠を示すことで、単なる不満ではないことを明確に伝えられます。

1-3【例文3】評価制度への疑問を丁寧に伝える方法

給与額そのものよりも、評価のプロセスや基準に納得がいかない場合に有効な伝え方です。会社の制度に対する改善提案の姿勢を見せつつ、自身の考えと会社の方向性が合わないことを丁寧に説明します。

「これまで〇〇の目標達成に向けて尽力してまいりましたが、自身の成果がどのように評価に結びついているのかが不明瞭な点に、正直なところ悩んでおりました。評価制度について上司とも何度か話し合いましたが、現状の仕組みでは、自身が目指す成果と評価の連動が難しいと感じております。より透明性の高い評価制度のもとで、モチベーション高く働きたいと考え、転職を決意いたしました」

ポイントは、評価制度を改善しようと自身が行動した事実を伝えることです。「ただ不満を言うだけでなく、解決しようと努力した」という経緯を示すことで、他責にするのではなく、真剣にキャリアを考えた上での決断であることを印象付けられます

1-4【例文4】キャリアアップを軸にした伝え方

現在の職務への不満ではなく、将来のキャリアプランを実現するために環境を変える必要がある、という論理的な伝え方です。具体的な目標を提示することで、強い意志と計画性があることを示せます。

「現職での経験を通じて、〇〇という分野への関心が深まり、将来的にはこの領域の専門家としてキャリアを築きたいと考えるようになりました。そのために、現在△△の資格取得に向けて勉強しております。誠に勝手ながら、この目標を達成するためには、より専門的な知識と経験が積める環境に身を置くことが不可欠だと判断し、退職を決意いたしました」

このように、資格取得や専門スキルの習得といった具体的な目標を語ることで、単なる現状への不満ではなく、明確な目的を持った前向きな退職であることを伝えられます。会社側も本人の将来を応援する形で、退職を受け入れやすくなるでしょう。

1-5【例文5】家族の将来を考慮した伝え方

結婚や子育て、親の介護といったライフプランの変化を理由に、経済的な安定を求めるという伝え方です。個人的かつデリケートな事情であるため、会社側が深く踏み込みにくく、引き止められにくいのが特徴です。

「私事で大変恐縮ですが、この度結婚することになり、将来のライフプランを考える中で、より安定した収入基盤を築く必要性を感じるようになりました。現在の職場環境や業務内容には大変満足しておりますが、家族を支えていく責任を考え、経済的な条件も含めてキャリアを見直したいと思い、退職を決意いたしました」

この理由を伝える際は、あくまで個人的な事情であり、会社への不満ではないという姿勢を崩さないことが大切です。「家庭の事情」は会社側が介入しにくい領域のため、本人の意思を尊重せざるを得ない状況を作りやすくなります

2転職面接で「昇給なし」を退職理由として話す際の例文5選

転職面接で昇給がなかったことを退職理由として話す際は、単なる不満で終わらせず、志望動機や入社後の貢献意欲へと繋げることが極めて重要です。ここでは、面接官にポジティブな印象を与えるための5つの回答例文を紹介します。

2-1【面接での例文1】スキルアップと正当な評価を求める姿勢を示す

前職での経験を通じて得たスキルと、それが評価に結びつかなかった状況を簡潔に説明し、応募先企業でなら正当な評価を得られると考えた、という流れで話します。

「前職では〇〇の業務を通じて、△△というスキルを身につけ、□□といった成果を出すことができました。しかし、会社の評価制度が年功序列の側面が強く、個人の成果が昇給に反映されにくい環境でした。御社の成果を正当に評価する制度に魅力を感じており、私が培ってきたスキルを活かして貢献することで、御社とともに成長していきたいと考えております」

この回答は、前職の退職理由を率直に述べつつも、それを乗り越えて成長したいという前向きな姿勢と、応募先企業への貢献意欲を同時に示すことができます

2-2【面接での例文2】成果主義の環境を求めていることを伝える

自身の成果や実績を具体的な数字で示し、それが給与に反映される環境でモチベーション高く働きたいという意欲をアピールします。

「前職では営業として、年間目標を120%達成し、新規顧客を〇件開拓するなど、具体的な成果を出すことにやりがいを感じておりました。一方で、給与体系が固定給中心であり、個人の成果がインセンティブや昇給に直結しにくい側面がありました。年齢や社歴に関わらず、成果が正当に報酬として反映される御社の実力主義の環境で、自身の営業力を試し、さらなる高みを目指したいと考えております」

具体的な数字を挙げることで、自身の能力を客観的に証明し、成果主義の環境で活躍できる人材であることを強く印象付けられます

2-3【面接での例文3】業界全体の給与水準との比較を根拠にする

客観的なデータを基に、前職の給与が業界水準と比較して低かったことを冷静に伝え、適正な評価を求めて転職活動をしていることを示します。

「前職では〇〇の業務に3年間従事し、専門知識と実務経験を積んでまいりました。自身のキャリアを考える上で、業界の給与水準を調査したところ、私の経験やスキルに対する市場価値と、現在の給与に差があることを認識いたしました。御社は業界内でも高い水準の待遇を実現されており、社員の貢献に報いる姿勢に強く共感しております。適正な評価をいただける環境で、長期的に貢献していきたいです」

この伝え方は、感情的な不満ではなく、客観的な事実に基づいた合理的な判断であることを示唆します。しっかりと自己分析と企業研究を行っている、計画性のある人材という印象を与えることができます

2-4【面接での例文4】長期的なキャリア形成を重視する姿勢を示す

目先の給与だけでなく、将来のキャリアプランを見据えたうえで、昇給が見込める環境の重要性を語ります。

「前職では、業務を通じて多くのことを学んでまいりましたが、会社の経営状況から数年にわたり昇給が見送られており、将来のキャリアプランを描くことが難しい状況でした。私は、ひとつの企業で腰を据え、長期的にスキルアップしながら貢献していきたいと考えております。御社のように、社員の成長を支援し、キャリアパスが明確に示されている環境であれば、高いモチベーションを維持しながら長期的に貢献できると確信しております」

この回答は、安定志向や長期的な貢献意欲をアピールしたい場合に有効です。すぐに辞める懸念を払拭し、長く活躍してくれる人材であることを印象付けられます。

2-5【面接での例文5】前職の経験を活かして貢献したい意欲を伝える

退職理由を簡潔に述べた後、すぐに話題を切り替え、応募先企業でどのように貢献できるかを具体的に話すことで、前向きな姿勢を強調します。

「前職では給与体系に課題を感じており、自身の成果が評価に結びつきにくい点から転職を決意いたしました。しかし、そこで培った〇〇の経験は私の大きな財産です。特に、△△のプロジェクトで培った課題解決能力は、御社の□□という事業において即戦力として活かせると考えております。一日も早く御社に貢献できるよう、尽力する所存です」

この方法は、退職理由の説明を最小限にとどめ、自己PRに時間を割く戦略です。面接官の関心を「過去の不満」から「未来の貢献」へとシフトさせ、入社意欲の高さをアピールできます。

3昇給なしで退職を決断する前に確認すべきポイント5つ

昇給がないという理由だけで衝動的に退職を決めてしまうと、後悔する可能性があります。決断を下す前に、まずは現状を客観的に分析し、社内でできることがないかを確認することが重要です。ここでは、退職を考える前に確認すべき5つのポイントを解説します。

3-1【確認ポイント1】昇給なしの理由を上司に直接聞く

まずは直属の上司に面談の機会を設け、昇給がない理由を直接確認してみましょう。感情的にならず、「今後のキャリアプランを考えるうえで、自身の評価について理解を深めたい」という前向きな姿勢で相談することが大切です。

面談では、自身の業務実績や会社への貢献度を具体的な数字や事実を基に説明できるように準備しておきましょう。もしかしたら、会社側があなたの成果を正しく認識していないだけかもしれません。

対話を通じて、昇給の具体的な条件や、今後何を達成すれば評価されるのかが明確になる可能性があります。上司に直接聞くことは、現状を正確に把握し、憶測で悩むことをやめるための第一歩です

3-2【確認ポイント2】自分だけが昇給していないのか確認する

昇給が見送られたのが自分だけなのか、それとも部署全体や会社全体の方針なのかを確認することも重要です。信頼できる同僚にさりげなく聞いてみるなどして、情報を集めてみましょう。

もし会社全体の業績不振などが理由で一律に昇給が凍結されているのであれば、あなたの評価が低いわけではないかもしれません。その場合、業績が回復すれば昇給の可能性も出てきます。

一方で、自分や一部の社員だけが昇給していない場合は、評価制度や上司の判断に何らかの課題がある可能性が考えられます。状況を客観的に把握することで、次に取るべき行動(上司への相談、人事部への確認など)が明確になります。

3-3【確認ポイント3】会社の業績と昇給制度の関係を把握する

企業の昇給は、会社の業績と密接に関連しています。業界全体の市場が縮小していたり、競合他社との競争に敗れて利益が出ていなかったりする場合、会社としては昇給させたくても原資がないという状況も考えられます。

まずは、自社の就業規則を確認し、昇給に関する規定(評価時期、基準など)がどうなっているかを把握しましょう。そのうえで、業界ニュースや決算情報をチェックし、会社の経営状況を客観的に理解することが大切です。

業績不振が一時的なものであれば、状況が改善するまで待つという選択肢もあります。しかし、構造的な問題を抱えており、長期的に業績回復が見込めない場合は、転職を視野に入れる必要があるかもしれません。

3-4【確認ポイント4】昇給交渉の余地があるか検討する

昇給がないことに不満を感じるなら、まずは交渉してみる価値は十分にあります。受け身の姿勢で待っているだけでは、状況は変わりにくいものです。

交渉を成功させるためには、感情的に不満を伝えるのではなく、事実に基づいた客観的な根拠を示すことが重要です。これまでの実績や貢献度を具体的な数値で示し、自身の市場価値をアピールしましょう。

交渉のタイミングも重要です。人事評価の時期や、大きなプロジェクトを成功させた直後などが効果的でしょう。たとえ交渉がうまくいかなくても、昇給に対する自分の考えを会社に伝えること自体に意味があります。その反応次第で、今後の身の振り方を判断する材料にもなります。

3-5【確認ポイント5】転職市場での自分の市場価値を調べる

現在の会社での評価に疑問を感じたら、一度、転職市場という客観的な視点から自分の価値を測ってみることが重要です。転職サイトに登録したり、転職エージェントに相談したりして、自分のスキルや経験が他の企業でどの程度評価されるのかを確認しましょう。

同じ職種や経験年数でも、企業や業界が違えば年収が大きく変わることは珍しくありません。現在の年収が適正かどうかを客観的に判断することで、今の会社に残るべきか、転職すべきかの判断材料になります。

たとえすぐに転職するつもりがなくても、自分の市場価値を知っておくことは、今後のキャリア戦略を立てるうえで非常に有益です。選択肢を複数持つことで、心にも余裕が生まれるでしょう。

4昇給なしが違法になる可能性のあるケース3つ

基本的に、会社が従業員を昇給させないこと自体が直ちに違法となるわけではありません。しかし、状況によっては労働契約法や労働基準法に抵触し、違法と判断されるケースも存在します。ここでは、昇給なしが法的に問題となる可能性のある3つのケースについて解説します。

4-1【違法ケース1】就業規則に昇給制度が明記されているのに実施されない

会社の就業規則に「毎年4月に定期昇給を実施する」といった具体的な昇給に関する規定が明記されている場合、それは労働契約の内容の一部となります。

この規定があるにもかかわらず、会社が合理的な理由なく一方的に昇給を実施しない場合、契約違反とみなされる可能性があります。

ただし、「会社の業績によっては昇給しない場合がある」といった但し書きがある場合や、著しい業績悪化など社会通念上やむを得ないと判断される理由がある場合は、一概に違法とは言えません。まずは自社の就業規則を詳細に確認することが重要です。

4-2【違法ケース2】昇給なしの理由について説明がない

就業規則に昇給に関する規定があり、かつ個人の評価に基づいて昇給額が決まる制度であるにもかかわらず、昇給しない理由について会社側から何の説明もない場合も問題となる可能性があります。

労働者には、自身の評価内容やそれがどのように処遇に反映されたのかを知る権利があります。評価制度が形骸化しており、説明責任を果たしていないと判断されれば、人事評価権の濫用とみなされることも考えられます。

まずは上司や人事部に評価のフィードバックを求め、昇給が見送られた理由について具体的な説明を要求することが大切です。

4-3【違法ケース3】特定の社員だけが不当に昇給対象から外されている

合理的な理由なく、特定の社員だけを意図的に昇給の対象から外すことは、パワーハラスメントや差別的な取り扱いに該当する可能性があります。

例えば、労働組合に加入していること、育児休業を取得したこと、あるいは上司の個人的な感情などを理由に、他の社員と同様の評価基準を適用せず、不利益な扱いをすることは許されません。

このような不当な扱いを受けていると感じた場合は、社内の相談窓口や労働組合、あるいは外部の労働基準監督署などに相談することを検討すべきです。客観的な証拠(評価シート、面談記録、メールなど)を揃えておくことが重要になります。

5昇給なしでモチベーションを保つ方法4つ

昇給がない状況が続くと、仕事へのモチベーションを維持するのは難しいものです。しかし、会社の評価だけに自分の価値を委ねる必要はありません。ここでは、昇給が見込めない中でも前向きにキャリアを築いていくための4つの方法をご紹介します。

5-1【モチベーション維持法1】副業で収入を増やす

会社の給与に依存する状況から脱却するために、副業を始めてみるのは有効な手段です。本業以外の収入源を持つことで、経済的な不安が軽減され、精神的な余裕が生まれます。

副業は単なる収入アップだけでなく、新たなスキルを習得したり、人脈を広げたりする機会にもなります。そこで得た経験が、本業に活かされたり、将来の転職活動で有利に働いたりすることもあるでしょう。

会社の給与が上がらないという不満を、自分の力で収入を増やすという行動に変えることで、自信を取り戻し、キャリアの選択肢を広げることができます。

5-2【モチベーション維持法2】スキルアップに時間を投資する

昇給が見込めない今こそ、自分自身の市場価値を高めるための自己投資に時間を使いましょう。業務に関連する資格を取得したり、オンライン講座で新しいスキルを学んだりすることで、将来のキャリアの可能性が広がります。

スキルアップは、現在の会社での評価を高める材料になるだけでなく、より良い条件の企業へ転職するための強力な武器にもなります

会社の評価という外的要因に一喜一憂するのではなく、自分自身の成長という内的要因に目を向けることで、モチベーションを維持しやすくなります。努力が直接自分の価値向上に繋がるため、やりがいも感じやすいでしょう。

5-3【モチベーション維持法3】仕事以外の生活を充実させる

仕事での評価や収入がすべてではありません。趣味や友人との時間、家族との関係など、仕事以外のプライベートな生活を充実させることで、心のバランスを保つことができます。

仕事への不満が頭から離れないときは、意識的に仕事から離れる時間を作ることが大切です。新しい趣味を始めたり、旅行に出かけたりすることで、リフレッシュでき、新たな視点が得られることもあります。

人生の満足度は、仕事だけで決まるものではありません。 多様な価値観に触れ、自分にとっての幸せとは何かを見つめ直すことで、昇給がないという悩みも相対的に小さく感じられるようになるかもしれません。

5-4【モチベーション維持法4】転職活動を並行して進める

昇給がない状況に不満を感じているなら、実際に転職活動を始めてみるのも一つの手です。すぐに転職するつもりがなくても、求人情報をチェックしたり、転職エージェントに相談したりすることで、自分の市場価値を客観的に知ることができます。

他社から良い条件のオファーがあれば、それは大きな自信に繋がります。また、「いつでも辞められる」という選択肢を持つことで、現在の職場に対する精神的なプレッシャーが軽減され、かえって仕事に集中できることもあります。

転職活動は、自分のキャリアを見つめ直し、将来の可能性を探る絶好の機会です。現状維持に甘んじるのではなく、積極的に行動することで、モチベーションを再燃させることができるでしょう。

6昇給なしを理由に退職する際の注意点3つ

昇給がないことを理由に退職を決意した場合でも、円満に会社を去るための配慮は社会人としてのマナーです。感情的な行動は避け、最後まで責任ある態度を貫くことが、次のキャリアにも良い影響を与えます。ここでは、退職時に特に注意すべき3つのポイントを解説します。

6-1【注意点1】退職理由を感情的に伝えない

退職の意思を伝える際は、これまでの不満を感情的にぶつけるのは絶対に避けましょう。「給料が安すぎる」「評価がおかしい」といった直接的でネガティブな表現は、相手を不快にさせ、円満退職を妨げる原因になります。

大切なのは、感謝の気持ちを伝えつつ、あくまで前向きな理由として説明することです。たとえ本音が不満であっても、「キャリアアップのため」「新しい環境で挑戦したい」といった建前を使い、角が立たないように配慮しましょう。

最後まで良好な関係を保つことで、業界内での評判を守り、将来的に思わぬところで協力関係が生まれる可能性も残せます。

6-2【注意点2】引き止めで昇給を提示されても慎重に判断する

退職の意思を伝えた際に、会社側から「給料を上げるから残ってほしい」と引き止められるケースがあります。これはカウンターオファーと呼ばれますが、安易に受け入れるのは危険です。

一度退職の意思を示した社員に対して、会社側は「いずれまた辞めるかもしれない」という不信感を抱きがちです。その場しのぎで昇給が実現しても、根本的な評価制度や企業体質が変わらなければ、結局また同じ不満を抱えることになりかねません。

もしカウンターオファーを受け入れる場合は、昇給の具体的な金額や時期、今後のキャリアパスについて書面で約束を取り付けるなど、慎重な対応が求められます。基本的には、一度決めた退職の意思を貫く方が、長期的に見て良い結果につながることが多いでしょう。

6-3【注意点3】退職後の収入計画を立ててから行動する

昇給がないことへの不満から衝動的に退職してしまうと、次の仕事が見つかるまでの生活が困窮するリスクがあります。特に、転職先を決めずに退職する場合は、慎重な資金計画が不可欠です。

退職する前に、最低でも3カ月から半年分の生活費を貯蓄しておくことが望ましいでしょう。失業手当(雇用保険)を受給できる場合でも、自己都合退職の場合は給付までに待機期間があるため、すぐには給付金が支給されません。

また、転職活動には予想以上に時間がかかることもあります。経済的な不安は、焦りを生み、妥協した転職に繋がる可能性もあります。冷静な判断をするためにも、退職後の収入計画をしっかりと立て、経済的な基盤を確保してから行動に移しましょう。

7まとめ

昇給がないという事実は、多くの人にとって仕事のモチベーションを左右する重要な問題です。しかし、その不満をきっかけに、自身のキャリアを深く見つめ直す良い機会と捉えることもできます。

この記事では、昇給なしを理由に円満退職するための伝え方から、転職面接で好印象を与える回答法、さらには退職を決断する前に確認すべきポイントまで、幅広く解説しました。

重要なのは、感情的にならず、客観的な事実に基づいて行動することです。まずは上司に相談し、会社の状況を把握したうえで、自身の市場価値を調べてみましょう。その上で、社内に残って改善を目指すのか、あるいは新天地を求めて転職するのかを冷静に判断することが、後悔のない選択に繋がります。

もし転職を決意した場合は、退職理由をポジティブな志望動機に転換し、次のステップへと繋げましょう。あなたのキャリアがより良い方向へ進むことを願っています。

8よくある質問

Q

辞めると言ったら昇給を提示された場合、受け入れるべきですか?

A

慎重に判断すべきです。その場しのぎの対応である可能性が高く、根本的な評価制度や会社の体質が変わらなければ、将来的に同じ問題に直面するリスクがあります。なぜ今まで評価されず、退職を申し出たタイミングで昇給が提示されたのか、その理由を冷静に見極めることが重要です。

Q

昇給なしの会社で頑張る意味はありますか?

A

給与以外に明確なメリットがあれば、短期的に頑張る価値はあるかもしれません。例えば、他では得られない貴重な経験が積める、将来のキャリアに繋がるスキルが身につく、人間関係が非常に良好である、といった点です。しかし、長期的なキャリアプランと照らし合わせ、成長や将来性が見込めない場合は、見切りをつける判断も必要です。

Q

面接で退職理由が思いつかない場合はどうすればいいですか?

A

まずは退職に至った理由を「不満だったこと(例:評価されない)」と「次に求めること(例:成果を評価してほしい)」に分けて書き出してみましょう。そして、その「求めること」が応募先企業でなら実現できると考えた理由と結びつけ、ポジティブな志望動機として再構成することが重要です。


MeChoice転職・仕事班
執筆者

MeChoice転職・仕事班経営者・採用担当

年間200人以上の面接経験を持ち、転職希望者や社員のキャリア形成に向き合ってきた専門家。金融・経済分野での経験と経営者としての視点から、実践的で信頼性の高いキャリアアドバイスを提供している。

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