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【条件決定】JICA債、年1.256%で募集開始!「5年の債券は長いし、預金金利の0.5%は安すぎる」……そんな投資家に“期間2年”はちょうどいい?

【条件決定】JICA債、年1.256%で募集開始!「5年の債券は長いし、預金金利の0.5%は安すぎる」……そんな投資家に“期間2年”はちょうどいい?

2月9日、「第87回国際協力機構債券(通称:JICA SDGs債)」の募集が始まりました。

6日に条件決定した、年限が約2年の新発債の利率は1.256%です。

今回は、個人投資家が購入可能な「国債以外の債券(財投機関債など)」のなかでも、社会的認知度が高いJICA債の最新条件について、その特徴と市場での位置づけを解説します。

今回決定した発行条件

まずは、今回発表された具体的な条件を確認します。

項目

内容

記者の目線

銘柄名

第87回国際協力機構債券

政府が全額出資する「JICA」が発行体

愛称

JICA SDGs債

開発途上国の支援など、社会貢献に使われます

利率(税引前)

年 1.256%

銀行の定期預金と比べても魅力的な水準

期間

約2年(2027年12月20日まで)

資金を長く拘束されたくない個人投資家にぴったりな短期間

格付け

AA+(R&I)

日本国債と同等の極めて高い信用力

申込単位

1万円から

余剰資金で気軽に始められます

発行額

50億円

発行額が50億円と少なめなので、早めの検討を

募集期間

2026/2/9 ~ 2/26

発行額が50億円と少なめなので、早めの検討を

注目されるのは「年1.256%」という利率です。 現在、メガバンクの定期預金金利(1~2年)が0.4〜0.5%であることを踏まえると、これらをJICA債は0.756~0.856%(約76~86ベーシスポイント)上回っていることになります。

取り扱い証券会社は以下の通りです。

  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券(事務主幹事)

  • SBI証券

  • 大和証券

  • 東海東京証券

  • 楽天証券

「JICA債」の仕組みと資金の使い道

JICA債は、ODA(政府開発援助)を実施する独立行政法人国際協力機構(JICA)が発行する債券です。

この債券の大きな特徴は、調達された資金の使途が明確に定められている点です。具体的には、開発途上国のインフラ整備や人材育成など、社会的な課題解決(SDGs達成への貢献)に向けた融資や出資に充てられます。

投資家にとっては、資金を運用しながら国際協力に間接的に関与できる「ソーシャルボンド(社会貢献債)」としての側面を持っています。

投資家視点で見る「年限2年弱」の意味

債券選びで、金利と同じくらい大事なのが「お金が戻ってくるまでの期間(年限)」です。

一般的に、お金を長く貸せば貸すほど、利息はたくさんもらえます。一方で、金利に上昇圧力がかかっている足元の環境では「5年や10年も固定金利で放置する」ことに抵抗感のある人もいるでしょう。

その間に急にまとまったお金が必要になったり、もっと良い金利の商品が出たりする可能性もあります。

そこで注目なのが、今回のJICA債の「約2年」という設定です。

  • 長すぎず、短すぎない:「来年の旅行資金」や「数年後の車の買い替え」など、近い将来の予定に合わせて運用できます

  • 変化に強い:もし世の中の金利がさらに急上昇しても、2年なら比較的すぐに満期が来て、また新しい高金利の商品に乗り換えられます。これが10年債だと、指をくわえて待つしかありません

「銀行にただ寝かせておくのはもったいないけど、何年も縛られるのはイヤ」 そんなワガママな悩み(?)にちょうど良くフィットする、使い勝手のいい年限と言えるでしょう。

リスクと安全性について

投資判断において最も重要な「リスク」についても触れておきます。

JICA債は日本政府が所管する機関が発行していますが、今回の第87回債については「政府保証」は付与されておらず、「財投機関債」に該当します。したがって、万が一発行体が破綻した場合には元本が戻らないリスク(信用リスク)が存在します。

ただし、格付投資情報センター(R&I)による格付けは「AA+」を取得しており、これは日本国債と同等の評価です。

市場では極めて信用力が高い債券の一つとして扱われています。

ネット証券でも取り扱いあり、ただしリテール債の発行は限定的

本債券は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SBI証券、大和証券、東海東京証券、楽天証券を通じて販売されます。

昨今の金利上昇局面において、個人向け国債以外の「社債」や「地方債」などへの関心は高まっています。

個人投資家向けの債券は販売が限られていることから、募集期間終了を待たずに完売するケースも散見されますので、購入を検討している場合は注意が必要です。

地方債の詳細については、こちらの記事で紹介しています。

免責事項:本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘を意図するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断で行ってください。

写真出所:witsarut sakorn/shutterstock.com

参考

高原祥子
執筆者

高原祥子記者

立教大学卒業後、海外専門の旅行会社に就職し、その後旅行業界専門誌の記者に転身。
企業決算の記事などを手掛けるうちに金融マーケットに興味を持つようになり、株式や債券の発行市場をカバーする金融専門誌の記者に転職。債券市場の動向や市況について、10年以上にわたって数多くの記事を機関投資家に向けて日経QUICKやブルームバーグ等へ執筆した。その後、株式会社フィスコでアナリストが執筆する企業調査レポートの編集を手掛けるとともに、決算などIR情報の発信業務に携わる。

現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』のLIMO編集部に所属し、LIMOでも記事を執筆している。

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