
【個人向けが起債ラッシュ】光通信4年債が2.52%で条件決定!利回り訴求の「光通信」か、AA格の「三菱HCC」か……リテール社債、春の陣を読み解く

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27日、光通信の個人投資家向け4年債が2.52%で条件決定しました。
同じタイミングで起債した、5年物の東急不動産ホールディングス債や三菱HCキャピタル債よりも1年短い年限で、2%台半ばという高い利率となっています。
金利の復活が鮮明になりつつある今、「国債の安心感は捨てがたいけれど、もう少し手応えのある利回りが欲しい」と考える投資家にとって、債券は非常に魅力的な選択肢となってきました。
今回は、同社の社債についてくわしく解説していきます。
光通信4年債が2.52%で条件決定!
2.30% ~ 2.90%の仮条件レンジの下限寄りとなる2.52%で条件決定しました。
光通信(第55回無担保社債)
詳細 | |
年限 | 4年 |
発行額 | 910億円 |
利率 | 2.52%(税引き前) |
申込単位 | 50万円以上、50万円単位 |
格付け | A(R&I)/A+(JCR) |
条件決定日 | 2026年2月27日 |
募集期間 | 2026年3月2日 ~ 3月11日 |
発行日 | 2026年3月12日 |
利払い日 | 3月12日、9月12日 |
初回利払い日 | 2026年9月12日 |
引受会社 | みずほ証券/SBI証券/大和証券/SMBC日興証券/東海東京証券/野村證券/楽天証券 |
多くの社債が5年債として発行されるなか、光通信債は「4年」と1年短い年限設定が光ります。
「5年のあいだ資金を拘束されるのは長い」と感じる投資家にとって、償還が1年早い点は購入しやすいポイントになります。格付けもR&IとJCRからそれぞれシングルA格をしっかり取得しており、一定の信用力があります。
先行2銘柄+個人向け国債の比較一覧
まずは、投資家が最も重視する「利回り」「安全性(格付け)」「規模」を一覧表で比較してみましょう。
銘柄名 | 年限 | 利率(税引き前) | 発行額 | 格付け(R&I/JCR) |
光通信(第55回) | 4年 | 2.520% | 910 億円 | A / A+ |
三菱HCキャピタル(第24回) | 5年 | 1.968% | 200 億円 | AA / AA |
東急不動産HD(第4回) | 5年 | 1.904% | 100 億円 | - / A+ |
個人向け国債(固定5年) | 5年 | 1.660% | - | AA+ / AAA(※) |
(※)国債の格付けは日本政府の自国通貨建長期発行体格付
圧倒的な利回りと発行規模の「光通信」
光通信債は、利率 2.52% と唯一2%台に乗せた水準で決まりました 。注目すべきは 910 億円という巨大な発行規模です 。
通常、これほど大量の債券を売り切るためには、投資家にとって魅力的な上乗せ金利(スプレッド)を提示する必要があります。仮条件の下限寄り( 2.30% ~ 2.90% のなかでの 2.52% )で決まったとはいえ、東急不動産HDよりも 0.6% 以上高い利回りは、効率よく資産を増やしたい投資家にとって強力な選択肢となります 。
「AA格」の安心感、三菱HCキャピタル
一方で、「安全性に妥協したくない」という層に支持されているのが三菱HCキャピタルです。民間企業として最高水準に近い「AA(ダブルA)格」を維持しており、純利益も前年同期比 55.1% 増と経営基盤は極めて堅調です 。
東急不動産HD(A+格)よりも格付けが2段階(2ノッチ)高いにもかかわらず、利率では三菱HCキャピタル債の方が 0.064% 高いという「逆転現象」が起きています 。これは発行額が東急不動産HDの2倍( 200 億円)であることなどが影響しているとみられ、投資家にとっては「格付けの割に利回りが良い」というお得感のある結果となりました 。
三菱HCキャピタル5年債の詳細は、こちらの記事で紹介しています。
「4年」という期間の妙味
多くの社債が5年債として発行されるなか、光通信は「4年」という設定です 。
資金の拘束期間が1年短い
それにもかかわらず5年債より利回りが高い
この2点は、金利上昇局面において「早めに資金を回収し、次の投資機会に備えたい」と考える投資家にとって合理的なメリットといえます。
結論:どう選ぶべきか?
「究極の安全性」を求めるなら、利率 1.66% の 個人向け国債 が基本です 。しかし、そこから一歩踏み込んでリターンを狙うなら、以下の視点で選ぶのがよいでしょう。
「バランス重視」なら:高い信用力(AA格)と国債を 0.3% 以上上回る利回りを両立した 三菱HCキャピタル
「利回り追求」なら:2.5% 台の好利回りと4年という短めの期間を評価して 光通信
自身のポートフォリオにおいて、「守り」の国債と「攻め」の社債をどう組み合わせるか。
今回のラインナップは、その判断基準を明確にしてくれる好例といえます。
自身の投資スタイルとリスク許容度を今一度点検し、納得のいく投資判断を下してください。
免責事項:本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘を意図するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断で行ってください。
参考資料

高原祥子記者
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』のLIMO編集部に所属し、LIMOでも記事を執筆している。
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