
元銀行員がおすすめするiDeCoの活用方法!投資初心者が口座開設する場合の注意点とは?
- 執筆者:
- MeChoice編集部
- 監修者:
- 三石 由佳
1三石由佳さんのご経歴
これまでのご経歴についてお聞かせください。
三石 中央大学文学部社会学科卒業後、ネットベンチャーを経て、みずほ銀行にて確定拠出年金に関する講師として全国の個人投資家向けにセミナーを実施していました。
企業型確定拠出年金(企業型DC)だけでなく、個人型確定拠出年金(iDeCo)も含めた制度や仕組み、投資信託の解説や市況などを伝えていました。フリーランスを経て、フィンテックベンチャーにて広報を担当し、現在は株式会社モニクルリサーチにて金融関連の取材や自社メディアに関するPR業務も担当しています。
LIMOでは、資産運用や貯蓄、新NISA、iDeCoなどをテーマに企画・編集・執筆を行っています。
現在のご職業につかれたきっかけなどがあればお聞かせください。三石さんのご専門や保有されている資格についてもお聞かせください。
三石 ファイナンシャルプランナーの資格を取得したことをきっかけに、「お金の知識は学校では教わらないのに、知るか知らないかで生活の質が大きく変わる」という現実を実感しました。そこから、マネーリテラシーの重要性を広く伝えたいという想いが芽生え、金融業界でのキャリアを歩み始めました。
みずほ銀行では、企業型確定拠出年金(企業DC)を導入している企業の社員向けに投資教育を実施し、投資に対する不安や疑問を払拭するサポートに尽力。また、教育コンテンツの制作も担当し、複雑な金融知識を誰でも理解できる形で提供することを心がけてきました。
独立後、NISA制度の普及とともに投資に関心を持つ個人投資家が急増していることに気づき、より多くの人に投資の正しい知識を届けたいという想いが強まりました。そうした経緯から、金融教育のさらなる普及に貢献すべく、株式会社ナビゲータープラットフォーム(現株式会社モニクルリサーチ)へ転職。現在は、メディアPRや金融メディア「LIMO」の編集業務を通じて、専門的な情報をわかりやすく伝えることに努めています。
2初心者がiDeCo口座を選ぶ際に気を付けた方がよいこと
ネット証券と店頭証券の口座開設はどちらがよいでしょうか?
三石 基本的には ネット証券のほうが良い選択肢 と言えるでしょう。ネット証券は、パソコンやスマートフォンからいつでもアクセスできるため、時間や場所を選ばずに投資判断ができるのが大きな魅力です。また、手数料が低めに設定されていることが多く、コストを抑えた資産運用が可能です。
一方で、「実際に話を聞きながら進めたい」「初めての投資で専門家のアドバイスを直接受けたい」といった場合には、 店頭証券 のほうが安心できるかもしれません。対面で相談しながら口座開設や投資商品の選択ができるため、特に初心者にとっては心強いサポートが得られるのがメリットです。
とはいえ、 コスト面や利便性 を考慮すると、よほどの理由がない限りネット証券を選ぶのがおすすめです。近年では、ネット証券でも電話やチャットでのサポートが充実しているため、初心者でも安心して利用できます。
ネット証券を選ぶ際の注意点を教えてください。
三石 ネット証券を選ぶ際は、利便性や手数料の安さだけでなく、 取り扱い商品のラインナップ に注目することが大切です。特にiDeCoを利用する場合、どのネット証券でも制度自体は活用できますが、 金融機関ごとに運用できる商品が異なる ことを理解しておきましょう。
初心者の方は、預金や保険など馴染みのある商品に目が向きがちですが、iDeCoは 60歳まで途中解約ができない長期投資制度 です。そのため、短期的な視点だけでなく、長期間を見据えて商品を選ぶ必要があります。
金融機関を変更せずに60歳以降まで運用を続けることを考えると、 商品ラインナップが豊富なネット証券 を選ぶのが賢明です。豊富な選択肢があることで、投資知識がついた後も自分に合った商品を選びやすくなります。
また、 手数料 も見逃せないポイントです。管理手数料や運用手数料は金融機関によって異なるため、長期運用においては小さな差でも将来的に大きな影響を与えることがあります。選ぶ際は、ラインナップの豊富さと手数料のバランスをしっかり比較しましょう。
ネット証券を選ぶなら、どこのiDeCo口座がおすすめか教えてください。
三石 ネット証券でiDeCo口座を開設する場合、楽天証券とSBI証券を選ぶ方が多く、多くの人にメリットがあるのもこの2社だと言えます。どちらも手数料が低く、商品ラインナップが豊富なことから、初心者から中級者まで幅広い投資家に支持されています。
楽天証券は、手数料の安さだけでなく、特に楽天経済圏を利用している方にとってメリットがあります。普段から楽天市場や楽天カードを利用している場合、ポイントが貯まりやすく、日常生活と投資を連動させられるのが大きな魅力です。
また、取り扱い商品は36本と幅広く、年齢や投資方針によって選び分けられるラインナップです。
SBI証券は、手数料の安さと商品ラインナップの豊富さが魅力で、取り扱い商品は38本と楽天証券よりもやや多く、特に投資に慣れてきた中級者や上級者向けの商品がそろっている点が魅力です。
また、SBI証券のiDeCoでは、個人投資家から好評な低コストの投資信託「eMAXIS Slim」シリーズが購入できることは大きな利点でしょう。
どちらの証券会社も魅力的ですが、「楽天経済圏を活用してポイントを貯めたい人」には楽天証券、「より多くの投資商品から選びたい人や、低コスト重視の人」にはSBI証券が向いているでしょう。
いずれにしても、iDeCoは長期投資になるため、「手数料の安さ」と「自分に合った商品ラインナップ」の両方を重視して選ぶことが大切です。生活スタイルや投資目的に合わせて、後悔しない証券会社を選びましょう。
(投資商品の本数は2025年2月現在)
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3ネット証券で始めるiDeCoおすすめ活用法
iDeCoの概要について教えてください。
三石 iDeCo(イデコ)は、自分で積み立てた掛金を運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取れる私的年金制度です。掛金が全額所得控除の対象になるほか、運用益も非課税となり、受け取り時にも一定の税制優遇が受けられるなど、税制上のメリットが大きいのが特徴です。
iDeCoは「individual-type Defined Contribution pension plan」をもとに作られた愛称ですが、正確には、個人型確定拠出年金という制度です。確定拠出年金には個人型とは別に企業型があります。
企業型確定拠出年金(企業型DC)は、企業が従業員のために掛金を拠出し、従業員自身が運用を行う制度です。企業が掛金を拠出し、企業が投資商品ラインナップを決めるため、企業によって商品が異なります。企業型DCが導入されている場合でも、条件を満たせばiDeCoとの併用が可能です。ただし、併用時には掛金の上限額が設定されているため、注意が必要です。
投資初心者がiDeCo口座を開設してiDeCoを始めるときの注意点を教えてください。
三石 iDeCoは、他の資産形成制度とは異なり、原則として60歳まで資金を引き出せないという大きな特徴があります。途中で解約や現金化ができないため、まとまったお金が急に必要になったときに、iDeCoの資産を使うことはできません。この点を理解せずに始めてしまうと、いざという時に資金繰りで困ってしまうこともあります。
そのため、iDeCoを始める前に必ずライフプランニングを行うことが重要です。 将来の大きな支出(結婚、住宅購入、子どもの教育費など)を考慮し、必要な資金はすぐに引き出せる預貯金などで確保しておきましょう。iDeCoはあくまで長期的な老後資金づくりの手段であり、日常的な資金確保には向いていません。
新NISAと混同して「すぐに現金化できるもの」と誤解し、後悔する人も少なくありません。iDeCoは非課税のメリットがある一方で、制度の制約も大きいことをしっかり理解した上で、無理のない範囲で活用することをおすすめします。
三石さん、一押しの組み合わせがあれば理由とともに教えてください。
三石 投資初心者・中級者・上級者でおすすめの組み合わせは異なりますが、初心者の場合、預金や保険商品など元本確保型商品の比率が資産全体で多い傾向があります。
そういった背景を踏まえると、iDeCoでは比較的リスクの高い商品の比率を高めるのも一つの選択肢と言えるでしょう。特に、海外株式に投資するインデックスファンドは、長期投資での成長が期待でき、初心者でも比較的取り組みやすい選択肢です。
都度家計全体のバランスを見ながら資産のリバランスができればベストですが、それを考えるのが難しい場合、バランス型やターゲットイヤーファンドを選ぶ方もいます。
これらのファンドは、資産配分を自動的に調整してくれるため便利ですが、その分手数料が割高になる点には注意が必要です。手数料が長期的なリターンに与える影響を考慮しつつ、自身のリスク許容度や投資目的に合わせて選択しましょう。
最後に読者にメッセージをお願いします。
三石 iDeCoは制度が若干複雑なため、始めるにはハードルが高いと思われるかもしれません。新NISAかiDeCoかで悩まれているのであれば、まずは新NISAから資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。
新NISAは制度が比較的シンプルな分、投資の仕組みや自分のリスク許容度を実感しやすいです。周りがはじめているから、メディアで取り上げられることが多いから、など始めてみたいと感じる理由は多くあるかもしれませんが、慣れてきた段階でiDeCoを検討しても十分間に合います。
企業型DCに加入している方は、すでに確定拠出年金について一定の理解があるはずです。会社を通じた投資教育の情報も有効に活用しながら、iDeCoをプラスすることも前向きに検討してみてください。
iDeCoは「難しそう」と感じられがちな制度ですが、その分、使いこなすことで得られる面白さや達成感もあります。仕組みを理解していくうちに、「どのように組み合わせれば自分に合うのか」と考える楽しさも生まれてくるはずです。
特に、中途解約ができないという特徴を逆手に取り、「長期投資を実践する絶好の機会」と捉えてみるのも一つの考え方です。焦らず、自分に合ったペースで、一歩を踏み出してみてください。
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執筆者について

MeChoice編集部
MeChoice編集部は、くらしとお金に関するコンテンツ制作を各ジャンルの専門家とともに行い、情報発信を行っています。MeChoiceは株式会社モニクルリサーチが運営しています。