人気FPが伝授!ネット証券で始める新NISAおすすめ活用法

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くらしとお金の課題解決サービス「Mechoice」。様々な領域で活躍される皆さんに、専門分野について分かりやすく解説してもらう企画「専門家インタビュー」を始めました。専門家の思いや考えを忌憚なく語っていただきます。

今回は、ファイナンシャル・プランナーとして個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、資産運用に関連するセミナー講師や講演を多数行っている伊藤亮太氏にお話を伺いました。

伊藤亮太様プロフィール写真-1 専門家

伊藤 亮太 ファイナンシャルプランナー/CFP®認定者

慶應義塾大学大学院にて社会保障を専攻後、証券会社に就職。証券会社にて、営業、社長秘書などの経験を積む。その後、スキラージャパン株式会社を設立。ファイナンシャル・プランニングの他、経営コンサルティングなどを行う。現在、スキラージャパン株式会社代表取締役、一般社団法人資産運用総合研究所代表理事、伊藤亮太FP事務所代表。早稲田大学エクステンションセンター講師、東洋大学経営学部非常勤講師、秀明大学総合経営学部非常勤講師なども勤める。
 

伊藤亮太さんのご経歴

これまでのご経歴についてお聞かせください。

 

伊藤 大学院にて社会保障を専攻後、証券会社に就職。証券会社にて、営業、社長秘書などの経験を積みました。

その後、スキラージャパン株式会社を設立。ファイナンシャル・プランニングの他、経営コンサルティングなどを行ってきました。

現在は、スキラージャパン株式会社代表取締役、一般社団法人資産運用総合研究所代表理事、伊藤亮太FP事務所代表。早稲田大学エクステンションセンター講師、東洋大学経営学部非常勤講師、秀明大学総合経営学部非常勤講師なども務めています。

現在のご職業につかれたきっかけなどがあればお聞かせください。伊藤さんのご専門や保有されいる資格についてお聞かせください。

 

伊藤 大学生の時に周囲が公認会計士や税理士を目指している方が多かったので、新しい資格で自分はチャレンジしたいと思ったのがきっかけです。

2002年にFP資格が国家資格となったこともあり、今後FP関連の市場は伸びると思ったため、チャレンジしようと決意しました。

ただ、当初は独立というよりかは金融機関勤務を目指していたものの、証券会社に就職後、中立的な立場で取り組みたいと考えるようになり、最終的には独立するに至りました。

初心者が証券口座を選ぶ際に気を付けた方がよいこと

ネット証券と店頭証券の口座開設はどちらがよいでしょうか?

 

伊藤 どちらも口座開設してはいかがでしょうか。どちらが良いかは人によります。投資経験者はネット証券だけでもよいかもしれませんが、IPOなどで大手証券会社などが有利となる場合もあります。

投資初心者の方は、担当者にいろいろ聞きながら学べる対面の証券会社での口座開設が良いかもしれません。そして、投資の仕方などを学んだあとに、ネット証券で自分でやってみるという形が良いのではないでしょうか。もちろん、管理が面倒という方は、どちらかだけに絞るのでも構いません。

ネット証券を選ぶ際の注意点を教えてください。

 

伊藤 ネット証券を選ぶ際の注意点は、何を重視して選択するかということです。例えば、手数料部分を検討する場合、SBI証券や楽天証券などでは株式の売買手数料が条件付きで無料、投資信託の販売手数料無料といったものが多くなっています。

そのため、手数料部分ではさほど差がないともいえる状況です。手数料以外にも、取扱金融商品、注文の出しやすさなど総合的に選択すべきだと思います。実際にデモ画面などを利用して体験した後に選択するのも良いでしょう。

ネット証券を選ぶなら、どこの証券口座がおすすめか教えてください。

 

伊藤 手数料、金融商品の多さから言えば、SBI証券や楽天証券がおすすめです。両社はクレジットカードで投資信託を購入することでポイントが貯まったりしますので、メリットは大きいと思います。

IPO狙いであれば、最もIPOの取り扱いの多いSBI証券が良いでしょう。楽天経済圏のユーザーは楽天証券の方がメリットがあるかもしれません。基本的にはこの2社のうちどちらかを選択するか、両方選択して使い分けるといった選択肢もありだと思います。

上記のようにお考えになった理由を証券会社ごとに教えてください。

 

伊藤 SBI証券は、条件付きではあるものの株式の売買手数料が無料です。また、販売手数料が無料となるノーロード投資信託の取り扱いも多く、金融商品の豊富さに定評があります。IPOの取扱数も多いため、様々な売買を行ってみたい方に良いと考えます。

一方、楽天証券は、楽天カードユーザーにとってポイントが貯まりやすい証券会社です。投資信託や金・銀などの積み立てなどで楽天カードでの購入が可能であり、ポイントもたまるため、メリットが大きいです。

条件付きですがこちらも株式売買手数料を無料にすることができるほか、ノーロードの投資信託の取り扱いも多いです。

 

3ネット証券で始める新NISAおすすめ活用法

新NISAの概要について教えてください。

 

伊藤 新NISAは、売買益や配当金などに対して税金のかからない投資口座です。証券会社や銀行などで開設できます。2つの投資枠から構成されます。1つが「つみたて投資枠」、もう1つが「成長投資枠」です。

つみたて投資枠とは、その名の通り、毎月などコツコツ積み立てにより運用を行う枠をさします。成長投資枠は、例えば株価が大きく下がった時などにスポットで購入したりと、好きな時に売買できる投資枠です。

つみたて投資枠では、年間に120万円まで投資が可能です。一方、成長投資枠では、年間に240万円まで投資を行うことができます。両方の投資枠を利用することもできますし、片方だけを利用して運用していくことも可能です。

投資初心者が証券口座を開設して新NISAを始めるときの注意点を教えてください。

 

伊藤 新NISAでは、新NISAの口座で保有している株式や株式投資信託などは、他の口座に移すことができません。また、他の証券口座で保有している株式や株式投資信託などもNISAの口座に移管することはできません。あくまでもNISAの口座内で新規に投資した金融商品から得られる利益だけが非課税扱いになります。

また、NISA口座で保有している株式や株式投資信託が値下がりするなどした後に売却などして損失が出た場合、課税口座(特定口座・一般口座)で保有している株式や株式投資信託などの配当金や分配金、売却益などとの損益通算をすることはできません。

NISAで投資できる金融商品は、株式投資信託、株式、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)など、すべてが元本の保証されていない金融商品になります。利益を得られることが保証されていないにもかかわらず、利益を得ないと非課税のメリットを享受することができないのです。

NISAの口座は満18歳以上の方が開設できます。仮に夫婦がともに口座を開設すると最高3,600万円もの非課税投資を行うことができます。実際には夫婦ですべて使い切ろうとするご家庭は少ないと思われるものの、NISAだけで資産運用を行おうとした場合、保有する金融資産がリスクの高いものばかりになる恐れも否定できません。

ご自身で何に投資するかも選ぶ必要があります。その際に、資産全体で見た場合のバランスも考えなければなりません。NISA以外の部分で、預貯金はもちろんのこと、債券やMMFなども活用し、バランスのよい資産配分を心がけていきましょう。

つみたて投資枠、成長投資枠のおすすめの活用法を教えてください。

 

伊藤 つみたて投資では、最終的に成長する国に投資しなければ中長期的な複利効果を大きく得ることができません。先進国を中心に投資したいと希望されている場合には、やはり米国重視の運用が高パフォーマンスをたたき出す可能性が高いと考えます。

そこで、S&P500に投資するインデックスファンドをもとにつみたて投資枠を利用してみてはいかがでしょうか。成長投資枠を利用して中長期の株式投資を行いたい。この場合には、成長性を重視した株式投資を行うべきです。

そこで注目したいのが、これからの日本で伸びしろがある分野と海外での売り上げが伸びそうな企業です。

この他、海外の売上が伸びている企業を探す方法も面白いと思います。国内市場が縮小するならば、海外に打って出る。そうした日本の上場企業は数多くあります。こうした勢いのある企業を複数選定し、中長期的な成長の果実を受け取れるように分散投資をはかってみてはいかがでしょうか。

 

4証券口座とクレジットカードの組み合わせ活用法

つみたて投資枠におけるクレカの積み立て投資の概要を教えてください。

 

伊藤 クレジットカードを投資信託購入時に使う。そうするとポイントがもらえる。口座に入金した場合にはこうしたポイントは基本的に得ることができませんが、クレジットカードを利用するとクレジットカード会社のポイントが貯められるため、お得な投資方法として活用されています。

クレジットカードが利用できる条件としては、毎月一定額を継続的に積立投資すること、翌月一括払いで月々10万円まで(証券会社によっては月5万円まで)の投資信託の購入となっています。そのため、新NISAのつみたて投資枠をフル活用すると月々10万円のクレカ積み立てが可能であり、最も効率的効果的な投資ができるといえます。

 

クレカ積立をするならどの証券口座とクレカの組み合わせがおすすめかを教えてください。

 

伊藤 最初にクレカ積立のサービスをはじめたのは、2018年8月開始の丸井グループのtsumiki証券。その後、楽天証券、SBI証券、auカブコム証券、マネックス証券と次々と参入しています。

NISAを利用してつみたて投資枠でもクレカ積立は可能であるため、是非増やすという視点だけではなくポイントをゲットする視点も取り入れると良いでしょう。

おすすめは、SBI証券と楽天証券です。三井住友カードであればSBI証券、楽天カードであれば楽天証券との組み合わせが良いです。ポイントもしっかりためることができます。

 

楽天証券、SBIなど、証券口座ごとのメリット・デメリットを教えてください。

 

伊藤 SBI証券は、取扱商品数が豊富であり、IPO実績もネット証券で断トツの実績を誇っています。条件付きですが、株式売買手数料も無料であり、メリットは大きいです。

一方で、SBI証券ではデモ口座がないため、試しにやってみたいという場合には実戦で行うしかありません。

また、国内株と外国株の取り引きのアプリが別であり、いちいちわけてやる必要がある場合があります。その手間はデメリットといえるかもしれません。 楽天証券も同様に、取扱商品数が豊富です。IPOの件数も徐々に増えてきています。

ほかの楽天グループとの連携もできており、楽天経済圏利用者にはメリットが大きいです。一方、外国株の取扱数がほかのネット証券よりも劣る部分があります。

楽天証券での投資を行う際に楽天ポイントの活用もできるものの、通常ポイントしか利用できません。その点がデメリットといえましょう。

伊藤さん、一押しの組み合わせがあれば理由とともに教えてください。

 

伊藤 一押しというのは特にありません。どこの証券会社も日々努力して顧客に報いるようなサービス提供をつとめています。 そのため、ご自身にとって使いやすい、便利と思える証券会社を利用されればそれでよいと思います。

私は楽天ユーザーのため、楽天証券をメインに使っています。ただ、楽天証券の場合、福岡や札幌に上場する企業に投資できないため、SBI証券の方が使い勝手が良い面があると思います。どちらも使って使い分けるのが良いでしょう。

最後に読者にメッセージをお願いします。

 

伊藤 ネット証券、対面証券いずれもメリット、デメリットがあります。それぞれの良さを活かして活用していくのがベストです。

一本化して1つの証券会社だけを利用するもよし、目的に応じて複数使い分けるもよし。ぜひご自身の取引のしやすい環境づくりを心掛けてください。

そして、新NISA制度をはじめ、さまざまな投資チャレンジを行ってみてください。経験がモノ言う世界です。実践をつみ、しっかりリターンを稼げるようになっていきましょう。

 

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