
ネット証券のおすすめは?各証券会社ごとにおすすめの活用法をCFP®が直伝!
くらしとお金の課題解決サービス「Mechoice」。様々な領域で活躍される皆さんに、専門分野について分かりやすく解説してもらう企画「専門家インタビュー」を始めました。専門家の思いや考えを忌憚なく語っていただきます。
当企画第6弾として、フリーでファイナンシャル・プランナー・講師として活動されているCFP®及び1級FP技能士の柴沼直美氏にお話を伺いました。
目次

柴沼 直美CFP®/1級FP技能士
1柴沼直美さんのご経歴
これまでのご経歴についてお聞かせください。
柴沼 大学卒業後、日本の生命保険会社で営業に従事しました。2年弱で退職し、貯めた給与賞与に加え借金をして渡米、MBAを修得し帰国しました。
数か月の就職活動ののち外資系金融機関で株式調査、機関投資家として日本株運用に従事しました。ファンドマネジャー時代に結婚、出産、親の介護により退職、以後フリーで個人の方の運用、介護、老後の家計運営などお金まわり全般のご相談をお受けしつつ、執筆、大学講師(金融・英語)をしています。
現在のご職業につかれたきっかけなどがあればお聞かせください。柴沼さんのご専門や保有されている資格についてお聞かせください。
柴沼 業務上取得が義務付けられていたので、証券外務員1種、アナリスト協会検定会員を独身時代に取得。FP相談に対応できるように、CFP®、1級ファイナンシャルプランニング技能士、社会保険労務士、キャリアカウンセリングを取得しました。
2024年になって、かつて海外からの機関投資家の会社訪問での通訳経験を活かしたいと思い全国通訳案内士(英語)を取得しました。
2初心者が証券口座を選ぶ際に気を付けた方がよいこと
ネット証券と店頭証券の口座開設はどちらがよいでしょうか?
柴沼 投資経験が短い方であれば、店頭、経験を積まれればネット証券がいいでしょう。金融商品は絶えず価額が変動します。
予期しない大幅な急落に遭遇したときの対処方法について自信がないという方は、店頭がお勧めです。コスト面、利便性はネット証券が勝っているので、経験値が上がればネット証券に移行されるといいでしょう。
ネット証券を選ぶ際の注意点を教えてください。
柴沼 ネット証券であっても、すべてお客様任せにするのではなく、ある程度のフォロー体制を導入している会社も少なくありません。慣れないうちは、自分が欲しいと思っているフォローがあるのかをチェックして選ぶと良いでしょう。
その他には、取引等でかかる手数料がいくらなのかも要チェックです。ネット証券は増えてきていますが、会社によって扱っている商品は違っていますので、自分が取引したい商品がラインナップされているのかを確認することが大切です。
ネット証券を選ぶなら、どこの証券口座がおすすめか教えてください。
柴沼 まずは手数料。どのように手数料が決まっているかを確認してください。取引金額ごとか1日定額か確認しましょう。
1日定額コースでも、ある上限を超えると一定の手数料がかかる場合もあります。次に取扱商品が豊富かどうかです。IPOに取り組んでみたいと思っても、取り扱っていなければ別会社で口座開設しなければならなくなります。
3つ目は投資情報が迅速でわかりやすいかという点です。指標発表に関する解釈などコンパクトにまとまっているといいですね。
ネット証券を選ぶなら、どこの証券口座がおすすめか教えてください。
柴沼 SBI証券、楽天証券、マネックス証券の三大ネット証券が総合力では、他社を大きく凌駕していると思います。
SBI証券はネット証券とは思えないほどの充実した投資情報、幅広い商品ラインナップに加え、リーゾナブルな手数料で利用できます。
さらに、三井住友カードで投資をすれば今や広くショッピングやサービスで利用できるVポイントがたまるという嬉しいプラスアルファも見逃せません。
楽天証券も同様に参考になる投資情報、魅力的な手数料と豊富な取扱商品と言う点では外せません。
マネックス証券も充実した投資情報と手数料・取扱商品の選択肢の広さでは引けを取らないでしょう。
3ネット証券で始める新NISAおすすめ活用法
新NISAの概要について教えてください。
柴沼 NISAは通常利益に対して20.315%かかる税金が非課税になる制度で、新NISAは2024年にスタートしました。新NISAの特徴は旧NISAよりも年間投資枠が増え、つみたて投資枠で年120万円、成長投資枠で年260万円となっており、非課税枠(総枠)は1800万円(うち成長投資枠は1200万円)までです。
また、成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能になったり、非課税期間が無期限になるなど、長期的な資産形成が可能となりました。
投資初心者が証券口座を開設して新NISAを始めるときの注意点を教えてください。
柴沼 1つめは、NISA口座として開設できるのが1人1口座であること、そしてNISA口座を開設する金融機関は年に1回しか変更できない点です。投資したい商品が開設する金融機関で扱われているかを確認する必要があります。
2つめは、新NISAでは収益があがっても課税されない代わりに、損失が出ても損益通算ができない点です。急落局面を目の当たりにしても不安になって売却を急ぐことのないように、長期投資で臨む必要があります。
つみたて投資枠、成長投資枠のおすすめの活用法を教えてください。
柴沼 成長投資枠は年間の非課税投資枠が240万円と相対的に大きいため、投資対象の選択肢が広い点です。
国内外で業界をリードするような大企業は株価が高いですが、それらも投資対象として検討できます。安値で一括購入し、上昇した場合に大きな収益を狙うことができます。
つみたて投資枠は少額から投資でき、売買タイミングを考えることなく機械的な投資で着実に増やしていきたい初心者に適していると思います。
4証券口座とクレジットカードの組み合わせ活用法
つみたて投資枠におけるクレカの積み立て投資の概要を教えてください。
柴沼 新NISAのつみたて投資枠では、毎月一定額を買い付ける積立投資をすることができます。積立投資をする際に、クレジットカード決済をすることで積立金額に応じてポイントが付与されます。
自動的に買い付けできるので、入金などの手間がないのもメリットでしょう。クレカ積立のポイント付与率やサービス内容は各社異なりますので、ご自身に合ったクレカ積立サービスを利用するといいでしょう。
クレカ積立をするならどの証券口座とクレカの組み合わせがおすすめかを教えてください。
柴沼 個人的にはSBI証券と三井住友カードです。2024年、クレカのタッチ決済やオンラインショッピングで使える機会が爆発的に拡大しました。
ショッピング、ガソリンスタンド、レストランや薬局など日常的に利用するサービスでポイントを貯めたり支払いに使ったりできるようになりました。
積立額に応じてVポイントがたまり、お得感を実感できます。クレカで投信積立を決済するので、あえて入金する必要はありません。
SBI証券

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楽天証券、SBIなど、証券口座ごとのメリット・デメリットを教えてください。
柴沼 楽天カードがメインの人にとっては、楽天証券を使ってポイントを貯めることができるのでいいでしょう。
口座開設にも時間がかからない点、取り扱い商品や投資情報も充実していて信頼性はバッチリです。IPOについては、SBI・マネックスの二社がリードしているかとみられます。
SBI証券もほぼ充実した商品ラインナップと魅力的な手数料でコスパも抜群です。デメリットとしては、商品ごとにアプリが異なり、取引に慣れるまで多少時間がかかる点が挙げられます。
柴沼さん、一押しの組み合わせがあれば理由とともに教えてください
柴沼 繰り返しになりますが、総合力ではやはりSBIが他社を凌駕しているかと思います。
魅力的な手数料、IPOも含め顧客にとって豊富な選択肢が用意されていること、充実した投資情報に加えてVポイントで投資をしながらショッピングの楽しみも味わえることが大きいですね。
最後に読者にメッセージをお願いします。
柴沼 急速な少子高齢化のため、老後資金を自分で確保することが求められ、自分の資産は自己責任で保全することが必須になりました。
さらに、世界分断化が懸念される中、資源のほとんどを輸入に頼らなければならない日本では今後も物価上昇が避けられません。
投資と向き合うためには勉強しなければいけないことが多く、つい後回しになりがちですが、ネット証券各社による充実したサービスの提供、積立NISAなど取り組みやすい制度も整備されています。少しずつ無理のない範囲でお金を育ててまいりましょう。
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MeChoice編集部
MeChoice編集部は、くらしとお金に関するコンテンツ制作を各ジャンルの専門家とともに行い、情報発信を行っています。MeChoiceは株式会社モニクルリサーチが運営しています。