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「入社してすぐ辞めたい」試用期間中の退職 完全ガイド!伝え方・退職理由・即日退職の可否まで徹底解説

「入社してすぐ辞めたい」試用期間中の退職 完全ガイド!伝え方・退職理由・即日退職の可否まで徹底解説

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「入社したばかりだけど、もう辞めたい……」

「試用期間中に退職するのは気まずいし、迷惑かも……」

こんなお悩みはありませんか?

この記事を読めば、試用期間中の退職に関する法的な知識から、上司への円満な伝え方、転職活動への影響と対策まで、あなたの不安をすべて解消できます。

以下の内容についてご紹介します。

  • 試用期間中に退職できる法的根拠
  • 円満退職を実現する伝え方のステップと例文
  • 即日退職したい場合の具体的な対処法

もし、どうしても自分で退職を切り出せない場合は、退職代行サービスの利用も有効な選択肢の一つです。この記事を参考に、後悔のない決断をしましょう。

1試用期間中に退職したい人が知るべき基礎知識5選

試用期間中に退職したい人が知るべき基礎知識5選
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試用期間中に退職を考えたとき、まず知っておくべき基本的な知識があります。結論から言うと、試用期間中の退職は法律で認められており、正しい手順を踏めば問題ありません。しかし、転職活動への影響や手続きの流れなど、事前に理解しておくべき点も存在します。

ここでは、試用期間の法的な位置づけから、退職の可否、必要な手続き、そしてキャリアへの影響まで、5つの重要な基礎知識を解説します。

1-1【基礎知識1】試用期間とは何か?本採用との違い

試用期間とは、本採用を前提として、企業が従業員の適性や能力、勤務態度などを見極めるために設けられた期間です。多くの企業では1カ月から6カ月程度で設定されています。

法的には「解約権留保付労働契約」と位置づけられており、これは単なる「お試し期間」ではなく、すでに正式な労働契約が成立している状態を指します。そのため、試用期間中であっても、労働者は労働基準法などの法律によって保護されます。

本採用後との大きな違いは、企業側からの解雇(本採用の拒否)のハードルにあります。本採用後の解雇には非常に厳しい要件が課されますが、試用期間中や期間満了時の本採用拒否は、それと比較すると広い範囲で認められる傾向にあります。

ただし、企業側が自由に解雇できるわけではなく、「客観的に合理的な理由」があり、社会通念上相当であると認められる場合に限られます。一方で、労働者側から退職を申し出る権利については、本採用後と何ら変わりはありません。

1-2【基礎知識2】試用期間中でも退職は法律上可能

結論として、試用期間中であっても労働者が自らの意思で退職することは、法律上まったく問題ありません。これは、民法第627条によって保障されている「退職の自由」という労働者の基本的な権利に基づいています。

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ) 第六百二十七条: 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

引用元:民法第六百二十七条|e-gov

この条文が示す通り、正社員のような期間の定めのない雇用契約の場合、労働者はいつでも退職を申し出ることができます。そして、退職の意思を伝えてから2週間が経過すれば、会社の承諾がなくても雇用契約は自動的に終了します。

試用期間もこの「期間の定めのない雇用契約」に含まれるため、本採用後の社員と全く同じ権利が適用されます。会社から引き止められたり、「試用期間中は辞められない」と言われたりしても、法的には退職を妨げることはできません。

1-3【基礎知識3】試用期間中の退職に必要な手続き

試用期間中に退職する場合でも、手続きの流れは基本的に本採用後の退職と変わりません。
円満に退職するためにも、社会人としてのマナーを守り、以下のステップで進めましょう。

  1. 直属の上司への意思表示
    まずは直属の上司に「ご相談したいことがあります」とアポイントを取り、口頭で退職の意思を伝えます。他の人がいない会議室などで、1対1で話せる場を設けるのがマナーです。

  1. 退職届の提出
    上司と退職日について合意した後、会社の就業規則に従って退職届を提出します。会社指定のフォーマットがなければ、自分で作成します。退職理由は「一身上の都合」とするのが一般的です。

  1. 業務の引き継ぎ
    試用期間中であっても、担当していた業務があれば、後任者や他の社員に迷惑がかからないよう、可能な範囲で引き継ぎを行います。簡単なメモや資料を残すだけでも誠意が伝わります。

  1. 備品の返却と書類の受け取り
    最終出社日には、健康保険証、社員証、名刺、会社から貸与されたパソコンや制服などをすべて返却します。同時に、会社からは「雇用保険被保険者証」や「源泉徴収票」、必要であれば「離職票」など、転職や失業保険の手続きに必要な書類を受け取ります。

1-4【基礎知識4】試用期間中の退職が転職活動に与える影響

試用期間中の退職は、次の転職活動において不利に働く可能性があることを理解しておく必要があります。最大の理由は、職務経歴に「短期離職」の事実が残るためです。

採用担当者は、多額のコストをかけて人材を採用するため、「またすぐに辞めてしまうのではないか」「忍耐力や適応力に問題があるのではないか」といった懸念を抱きやすくなります。

このデメリットを乗り越えるためには、面接で退職理由を正直かつ前向きに説明することが不可欠です。

  • 会社の批判や不満を述べない
  • 自分のキャリアプランとの不一致など、あくまで自己都合として説明する
  • その経験から何を学び、次にどう活かしたいかを具体的に語る

例えば、「実際に業務を経験したことで、自身の適性が別の分野にあると明確になった」といったように、短期離職を自己分析の機会と捉え、ポジティブな学びに転換して伝える準備をしておくことが重要です。

一度の短期離職であれば、理由をしっかり説明できれば大きな問題にならないケースも多いですが、繰り返すと転職が著しく困難になるリスクがあります。

1-5【基礎知識5】試用期間14日以内なら即日退職が可能なケースも

「試用期間開始から14日以内なら即日退職できる」という情報を目にすることがありますが、これは正確ではありません。この「14日」という期間は、労働基準法第21条に定められた「企業側が労働者を解雇する際の解雇予告が不要な期間」を指すものです。

つまり、あくまで会社から従業員を解雇する場合のルールであり、労働者が自ら退職を申し出る場合には適用されません。

労働者側から退職する場合は、入社後1日目であっても、原則として民法第627条に基づき2週間前の申し出が必要となります。

ただし、以下のような「やむを得ない事由」がある場合や、会社側が退職に合意してくれた場合は、結果的に14日以内での即日退職が認められることがあります。

やむを得ない事由
  • 心身の健康を損なうほどのハラスメントがある
  • 求人内容と実際の労働条件が著しく異なる
  • 会社側が即日退職を承諾した

14日という数字に惑わされず、原則は2週間前の申し出が必要であると正しく理解しておくことが重要です。

2試用期間中に退職を決断する理由7選

試用期間中に退職を決断する理由7選
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試用期間中に退職を決意する背景には、さまざまな理由が存在します。入社前に抱いていた期待と、入社後の現実との間に生まれる「ギャップ」が主な原因となることが多いです。

ここでは、多くの人が試用期間中に退職を考えるきっかけとなる、代表的な7つの理由を具体的に解説します。もしあなたが同じような状況に悩んでいるなら、それは決して特別なことではありません。

2-1【退職理由1】仕事内容が求人情報や面接時の説明と大きく異なる

試用期間中に退職する最も多い理由の一つが、実際の業務内容が入社前の説明と著しく異なるケースです。例えば、「企画職として採用されたはずが、実際はテレアポや雑務ばかり」「裁量権のある仕事だと聞いていたのに、実際は指示待ちの単純作業の繰り返し」といった状況が挙げられます。

このようなミスマッチは、仕事へのモチベーションを著しく低下させるだけでなく、会社に対する不信感にも繋がります。自分が思い描いていたキャリアプランとかけ離れた業務を続けることは、貴重な時間を無駄にしてしまうことにもなりかねません。

多少の業務内容の違いはどの職場でも起こり得ますが、職種そのものが違うなど、根本的な部分で話が違う場合は、我慢せずに退職を検討する正当な理由と言えるでしょう。

2-2【退職理由2】職場の人間関係やパワハラに耐えられない

職場の人間関係は、仕事の満足度を大きく左右する重要な要素です。特に、上司からの威圧的な言動や同僚からの無視といったパワハラ、あるいはモラルハラスメントが横行している環境は、心身の健康を深刻に脅かします。

「まだ新人だから我慢しなければ」「自分が悪いのかもしれない」と思い詰めてしまう人もいますが、人格を否定するような言動や、孤立させるような行為は決して許されるものではありません。

また、挨拶が交わされない、質問しづらい、常に誰かの悪口が聞こえるなど、社内の雰囲気が極端に悪い場合も、精神的なストレスが蓄積しやすくなります。

自分の心と体を守るためにも、ハラスメントが常態化している職場からは、試用期間中であっても速やかに離れるべきです。

2-3【退職理由3】労働条件(給与・残業時間・休日)が想定と違う

給与、残業、休日といった労働条件は、生活の基盤となる非常に重要な要素です。
ここに入社前の説明と大きな食い違いがあれば、退職を考える大きな理由となります。

具体的には、以下のようなケースが挙げられます。

  • 給与: 基本給に固定残業代が含まれていることを知らされていなかった、求人票の給与額と実際の支給額が異なる
  • 残業時間: 「残業はほとんどない」と聞いていたのに、連日の長時間労働やサービス残業が常態化している
  • 休日: 求人票では「完全週休2日制」とあったのに、実際は休日出勤が頻繁にある

これらの問題は、単に「聞いていた話と違う」というだけでなく、生活リズムの乱れや心身の疲労に直結します。

特に、サービス残業や不当な給与の減額は法律に抵触する可能性もあり、我慢して働き続けるべきではありません。労働条件のミスマッチは、会社への信頼を損なう根源的な問題であり、早期に見切りをつけるべき重要なサインです。

2-4【退職理由4】社風や企業文化が自分に合わない

仕事内容や労働条件に問題がなくても、「社風や企業文化がどうしても合わない」という理由で退職を決断する人も少なくありません。これは個人の価値観と組織の価値観のミスマッチであり、努力だけでは埋めがたい溝となることがあります。

例えば、以下のようなケースが考えられます。

  • チームワークを重視する文化の会社に、個人で黙々と業務を進めたいタイプの人が入社してしまった
  • トップダウンで意思決定が早い組織に、ボトムアップでじっくり議論したい人が馴染めない
  • 飲み会などの社内イベントへの参加が半ば強制的な雰囲気に違和感を覚える

社風は、その会社で働く上での「空気」のようなものです。自分に合わない空気の中で長時間過ごすことは、大きな精神的ストレスとなり、パフォーマンスの低下にも繋がります。

試用期間は、まさにこの「空気」が自分に合うかどうかを肌で感じるための期間でもあります。根本的な価値観の違いを感じたのであれば、それは早期に判断すべき重要なサインと言えるでしょう。

2-5【退職理由5】業務内容が自分のスキルや適性と合わない

入社前に期待していた業務と異なり、自分のスキルや能力を活かせない、あるいは適性が全くないと感じることも、試用期間中の退職理由になります。

例えば、「専門性を高めたいのに単純作業ばかり」「コミュニケーションが得意なのに、一日中パソコンと向き合う仕事だった」など、自分の強みと業務内容が噛み合わない状況は、やりがいを失う大きな原因となります。

もちろん、試用期間中は基礎的な業務から始めるのが一般的です。しかし、先輩社員の働き方を見たり、今後のキャリアパスを聞いたりする中で、「このまま続けても自分の望む成長は得られない」と判断した場合、早期のキャリアチェンジは合理的な選択です。

自分の能力不足を感じて焦ることもあるかもしれませんが、それは単に「能力が低い」のではなく、「適性が合っていない」だけかもしれません。自分の強みを活かせる場所を改めて探すために、試用期間中に見切りをつけることも、長期的なキャリア形成においては有効な手段です。

2-6【退職理由6】体調不良や精神的なストレスで業務継続が困難

新しい環境への適応や慣れない業務は、誰にとってもストレスがかかるものです。しかし、そのストレスが原因で不眠、食欲不振、頭痛、気分の落ち込みといった心身の不調が現れた場合、それは危険なサインです。

特に、朝起きるのがつらい、出社しようとすると涙が出る、仕事のことばかり考えて眠れないといった症状は、心身が限界に近いことを示しています。「これくらいで休むのは甘えだ」「もう少し頑張れば慣れるはず」と無理を重ねてしまうと、心身の健康を損なうリスクがあります。

あなたの健康以上に大切な仕事はありません。もし業務が原因で心身に不調をきたしているのであれば、ためらわずに退職を決断すべきです。医師の診断書があれば、会社との話し合いもスムーズに進みやすく、場合によっては即日退職が認められる「やむを得ない事由」にも該当します。

2-7【退職理由7】家庭の事情(介護・引越しなど)で勤務継続が難しい

自分自身の問題ではなく、家族の介護やパートナーの転勤といった家庭の事情により、やむを得ず退職を選択するケースもあります。これは誰にでも起こりうる不可抗力であり、会社側も理解を示しやすい正当な退職理由です。

例えば、以下のような状況が考えられます。

  • 親の介護: 親の体調が急に悪化し、常時介護が必要になった
  • パートナーの転勤: パートナーの急な転勤が決まり、帯同するために引越しが必要になった
  • 自身の結婚や引越し: 勤務地から遠く離れた場所へ引越すことになった

これらの理由は個人の努力で解決できる問題ではないため、会社に正直に伝えることで、スムーズに退職手続きを進められることがほとんどです。

試用期間中という短い期間での退職となり申し訳ないという気持ちを伝えつつも、家庭の事情を優先するのは当然の権利です。ためらうことなく、正直に上司に相談しましょう。

3試用期間中の退職の伝え方5つのステップ

試用期間中の退職の伝え方5つのステップ
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試用期間中に退職を決意したら、次に行うべきは会社への意思表示です。伝え方や手順を間違えると、気まずい雰囲気になったり、トラブルに発展したりする可能性もあります。

円満退職を実現するために、以下の5つのステップに沿って、冷静かつ丁寧に進めましょう。

3-1【伝え方のステップ1】直属の上司にアポイントを取る

退職の意思を伝える最初のステップは、直属の上司に直接話すための時間を設けることです。同僚や人事担当者に先に話すのはマナー違反であり、上司の心証を損ねる原因になります。

まずはメールやチャットなどで、「お話したいことがございますので、15分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか」などと、相談の機会を申し込みましょう。このとき、退職の話であることを詳細に書く必要はありません。

重要なのは、他の人がいない会議室など、1対1で落ち着いて話せる場所と時間を確保することです。上司が忙しい時間帯を避け、相手の都合を尊重する姿勢を見せることで、その後の話し合いもスムーズに進みやすくなります。

3-2【伝え方のステップ2】退職の意思を口頭で明確に伝える

上司との面談の場では、退職の意思を曖昧にせず、はっきりと伝えることが重要です。「辞めようかと考えていまして……」といった相談のような切り出し方をすると、引き止めの余地を与えてしまい、話が長引く原因になります。

まずは、「本日はお時間をいただきありがとうございます。急な話で大変申し訳ないのですが、一身上の都合により、退職させていただきたく、ご報告にまいりました」と、結論から伝えましょう。

試用期間中という短い期間での退職に対するお詫びの気持ちと、これまでお世話になったことへの感謝の言葉を添えることで、誠実な姿勢を示すことができます。感情的にならず、冷静に、かつ自分の決意が固いことを伝えるのがポイントです。

3-3【伝え方のステップ3】退職理由は前向きかつ簡潔に説明する

退職の意思を伝えると、ほぼ確実にその理由を尋ねられます。このとき、会社の不満や人間関係の悪口などをストレートに伝えるのは避けましょう。ネガティブな理由を述べても場の雰囲気が悪くなるだけで、円満な退職からは遠ざかってしまいます。

たとえ本音は不満にあったとしても、それを前向きで個人的な理由に変換して伝えるのが、社会人としてのマナーです。

伝え方のポイント
  • 会社の批判はしない: 「〇〇さんの教え方が悪い」ではなく、「自分の力不足で期待に応えられなかった」のように、自分起点の表現にする
  • 前向きな理由を提示: 「実際に業務を経験し、自分のキャリアプランを再考した結果、別の分野に挑戦したいという思いが強くなりました」など、将来を見据えた決断であることを強調する
  • 簡潔に説明: 長々と話さず、理由は簡潔にまとめましょう。詳細を深く追及された場合は、当たり障りのない範囲で答えるにとどめます

あくまで「一身上の都合」であり、自分の将来のための決断であることを伝えるのが、最も角が立たない方法です。

3-4【伝え方のステップ4】退職日の希望を伝え調整する

退職理由を伝えたら、次に退職希望日について話し合います。法律上は退職の意思を伝えてから2週間で退職できますが、一方的に「2週間後に辞めます」と告げるのは、円満退職の観点からは望ましくありません。まずは、「大変恐縮ですが、〇月〇日をもって退職させていただきたく存じます」と、自分の希望日を伝えます。

会社側からは、業務の引き継ぎや後任者の手配などを理由に、退職日の調整を求められることがあります。試用期間中であれば大規模な引き継ぎは不要なケースが多いですが、会社側の事情も考慮し、可能な範囲で柔軟に対応する姿勢を見せることが大切です。

ただし、無理な引き延ばしに応じる必要はありません。話し合いのうえ、双方が納得できる退職日を決定しましょう。決定した退職日は、後のトラブルを避けるためにも、退職届に明記することが重要です。

3-5【伝え方のステップ5】退職届を提出し正式に手続きを進める

上司との話し合いで退職日や最終出社日が確定したら、正式な書面として退職届を提出します。口頭での合意だけでなく、書面を残すことで「言った・言わない」のトラブルを防ぎ、退職の意思が確定したことを明確にする重要な手続きです。

会社によっては指定のフォーマットがある場合もあるため、まずは上司や人事部に確認しましょう。特に指定がなければ、自分で作成します。

退職届の主な記載項目
  • 表題: 「退職届」
  • 提出日: 実際に提出する日付
  • 宛名: 会社の最高責任者(代表取締役社長など)の氏名
  • 本文: 退職理由(「一身上の都合」)、退職日、提出日、所属部署、自分の氏名
  • 押印

退職届は、直属の上司に手渡しするのが一般的です。提出後は、備品の返却や必要な書類の受け取りなど、人事部の指示に従って残りの手続きを進めていきます。

4試用期間中の退職理由の例文3選

試用期間中の退職理由の例文3選
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上司に退職理由を伝える際、どのように話せば角が立たないか悩む方は多いでしょう。
大切なのは、会社の不満ではなく、あくまで個人的な事情や前向きなキャリアチェンジであることを伝えることです。

ここでは、よくある状況別に、円満退職につながりやすい退職理由の伝え方を3つの例文でご紹介します。

4-1【例文1】体調不良を理由にする場合

体調不良は、会社側も引き止めにくい正当な退職理由です。ただし、伝え方には配慮が必要です。

「お時間をいただきありがとうございます。大変申し上げにくいのですが、実は入社してから体調が優れない日が続いており、医師からも一度療養に専念した方が良いとの助言を受けました。このままでは会社にご迷惑をおかけしてしまうため、誠に勝手ながら、治療に専念するため退職させていただきたく存じます。試用期間という短い期間でこのようなご報告となり、大変申し訳ございません」

ポイントは、自分の憶測ではなく「医師の助言」という客観的な事実を伝えることです。可能であれば診断書を提示すると、よりスムーズに話が進みます。会社への配慮として「ご迷惑をおかけしてしまう」という一言を添えることで、誠実な印象を与えることができます。

4-2【例文2】家庭の事情を理由にする場合

家族の介護やパートナーの転勤など、家庭の事情も会社が介入しにくいプライベートな領域であり、納得を得やすい退職理由です。

「お時間をいただきありがとうございます。急な話で大変恐縮なのですが、家庭の事情により、現在の勤務地での就業を続けることが困難になりました。具体的には、実家で暮らす親の介護が必要な状況となり、私が中心となってサポートする必要が出てまいりました。会社には大変ご迷惑をおかけしますが、退職を考えております。何卒、ご理解いただけますと幸いです」

ポイントは、詳細を話しすぎず、あくまで「家庭の事情」として簡潔に伝えることです。
プライバシーに関わる部分ですので、会社側も深く詮索することは通常ありません。
「やむを得ない事情である」という点を伝えることで、スムーズな退職につながります。

4-3【例文3】キャリアの方向性の違いを理由にする場合

仕事内容や社風が合わないと感じた場合、それを前向きなキャリアチェンジとして伝える方法です。

「お時間をいただきありがとうございます。試用期間という短い間ではございますが、実際に業務に携わるなかで自身のキャリアについて改めて深く考える機会となりました。その結果、私が本当に挑戦したいのは〇〇(別の分野や職種)の分野であるという思いが強くなりました。このままでは、会社の期待に沿う働きをすることが難しいと感じ、自分のキャリアに責任を持つためにも、別の道に進む決断をいたしました。このような早い段階でのご報告となり、誠に申し訳ございません」

ポイントは、会社の批判ではなく、あくまで「自分のキャリアプラン」が理由であると説明することです。「この会社では成長できない」ではなく、「別の分野で成長したい」という前向きな姿勢を示すことで、上司も応援しやすくなります。この経験を通じて自己分析が深まったという点を強調すると、より説得力が増すでしょう。

5試用期間中に即日退職したい場合の対処法4選

原則として退職には2週間の予告期間が必要ですが、「もう一日も会社に行きたくない」という状況に追い込まれることもあります。

そのような場合に即日退職を実現するための、具体的な対処法を4つご紹介します。ただし、これらはあくまで例外的な手段であり、円満な退職を目指すなら、まずは会社との話し合いを試みることが基本です。

5-1【即日退職の対処法1】試用期間14日以内なら即日退職が認められる可能性がある

「試用期間14日以内なら即日退職できる」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは正確には企業側が労働者を解雇する場合のルールです。労働基準法第21条により、試用期間開始から14日以内であれば、企業は解雇予告なしに労働者を解雇できます。

しかし、労働者側から退職を申し出る場合は、この法律は適用されません。原則は民法第627条に基づき、2週間前の申し出が必要です。

ただし、実務上は入社して日が浅い14日以内の退職申し出であれば、会社側も引き継ぎ業務がほとんどないことなどから、即日退職に合意してくれる可能性は比較的高くなります。あくまで会社の合意があって初めて成立するという点を理解しておきましょう。

5-2【即日退職の対処法2】心身の不調で診断書を取得する

心身の健康を著しく害しており、これ以上の就労が困難である場合は、即日退職が認められる「やむを得ない事由」に該当する可能性があります。この「やむを得ない事由」を客観的に証明するために、医師の診断書が非常に有効です。

「就労が困難である」と医師が記載した診断書を会社に提出することで、民法第628条に基づき、すぐに労働契約を解除できる可能性が高まります。自分の健康を守るための正当な権利ですので、体調に異変を感じたら、ためらわずに医療機関を受診してください。

5-3【即日退職の対処法3】会社と退職日について誠実に交渉する

法律上の「やむを得ない事由」がなくても、会社側が合意すれば即日退職は可能です。民法第627条の2週間ルールは、あくまで会社が合意しない場合の最低ラインであり、双方の合意があれば、その日にでも雇用契約を終了させることができます。

そのためには、上司に退職の意思を伝える際に、誠実に交渉することが重要です。大変申し訳ないのですが、一刻も早く退職させていただくことは可能でしょうか」と、まずは相談ベースで切り出してみましょう。その際、試用期間中で引き継ぎ業務がほとんどないことや、これ以上在籍しても会社に貢献できないという点を丁寧に説明することで、会社側も早期退職に応じるメリットを感じてくれるかもしれません。

高圧的な態度や一方的な要求は避け、あくまで「お願い」という姿勢で交渉に臨むことが、円満な即日退職を実現する鍵となります。

5-4【即日退職の対処法4】退職代行サービスの利用を検討する

「上司が怖くて退職を言い出せない」「引き止めが強くて辞めさせてもらえない」といった状況では、退職代行サービスの利用が有効な選択肢となります。

退職代行サービスは、労働者に代わって会社に退職の意思を伝え、必要な手続きを代行してくれるサービスです。依頼者は会社や上司と一切連絡を取る必要がなく、精神的な負担を大幅に軽減できます。

多くの退職代行サービスは、依頼したその日から対応を開始し、即日退職を実現しています。これは、退職の意思を伝えたうえで、残りの期間を有給休暇で消化する、あるいは欠勤扱いとすることで、実質的に出社不要の状態を作り出すためです。

費用はかかりますが、自分ではどうしようもない状況に追い込まれている場合や、心身の健康が危険な状態にある場合には、自分の身を守るための最終手段として検討する価値は十分にあります。特に、労働組合が運営する退職代行サービスであれば、有給消化などの交渉も行ってくれるため、より安心して任せることができます。

6試用期間中の退職で気をつけるべき注意点5選

試用期間中の退職で気をつけるべき注意点5選
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試用期間中に退職する決断は、法的に問題ありません。しかし、社会人として、また次のキャリアへ円滑に進むために、いくつか注意すべき点があります。

手続き上の確認事項や、退職時のマナーなど、後々のトラブルを避けるために押さえておきたい5つのポイントを解説します。

6-1【注意点1】退職の意思は早めに伝える

退職を決意したら、できるだけ速やかに直属の上司にその意思を伝えることが重要です。法律上は2週間前の申し出で退職できますが、会社の就業規則で「1カ月前まで」などと定められている場合も多く、可能な限りそれに従うのが円満退職の秘訣です。

早めに伝えることで、会社側も後任者の採用や業務の再配分など、必要な準備を進める時間ができます。ギリギリの申し出は、職場に混乱を招き、迷惑をかけることになりかねません。

「気まずいから」と先延ばしにせず、決断したらすぐにアポイントを取る勇気を持ちましょう。あなたの誠実な対応は、たとえ短い期間であっても、職場に残る人たちへの最後の配慮となります。

6-2【注意点2】引継ぎや業務整理は可能な範囲で行う

試用期間中の退職であっても、担当していた業務があれば、可能な範囲で責任を持って引き継ぎを行うのが社会人としてのマナーです。

本格的な業務を任されていないケースが多いかもしれませんが、それでも日々のルーティンワークや、作成途中の資料、やり取りのあった連絡先など、後任者や他のメンバーが困らないように情報を整理して伝えましょう。

大掛かりな引き継ぎ資料を作成する必要はありません。簡単なメモや口頭での説明でも十分です。「自分がいなくなっても業務がスムーズに進むように」という配慮の姿勢を見せることが、円満な退職に繋がります。

最後まで誠実に対応することで、たとえ短い期間の在籍であっても、職場に良い印象を残すことができるでしょう。

6-3【注意点3】退職届は必ず提出する

上司に口頭で退職の意思を伝え、合意が得られたとしても、必ず書面で退職届を提出しましょう。口約束だけでは、後になって「聞いていない」と言われるなど、トラブルに発展するリスクがあります。退職届は、あなたが退職の意思を正式に表明したことの法的な証拠となります。

会社に指定のフォーマットがあればそれを使用し、なければ自分で作成します。退職理由は「一身上の都合により」と記載し、合意した退職日を明記して提出します。

「試用期間だから必要ないだろう」と自己判断せず、正式な手続きとして退職届を提出することが、後々のトラブルを未然に防ぎ、スムーズに退職手続きを完了させるための重要なポイントです。

6-4【注意点4】社会保険や雇用保険の手続きを確認する

試用期間中であっても、法律で定められた条件を満たしていれば、社会保険(健康保険・厚生年金)や雇用保険に加入しています。退職に伴い、これらの資格を喪失する手続きが必要になるため、人事担当者としっかり確認しましょう。

確認すべき主なポイント
  • 健康保険証の返却: 最終出社日に必ず返却します。退職後は国民健康保険に加入するか、家族の扶養に入るなどの手続きが必要です
  • 雇用保険被保険者証の受け取り: 転職先で必要になる重要な書類です。会社が保管している場合が多いので、退職時に必ず受け取りましょう
  • 離職票の発行: 失業保険(基本手当)の受給を希望する場合に必要な書類です。必要であれば、会社に発行を依頼します

これらの手続きが漏れると、退職後の生活に支障が出る可能性があります。特に、健康保険証を返却せずに使用するとトラブルになるため注意が必要です。不明な点があれば、遠慮なく人事部に質問しましょう。

6-5【注意点5】損害賠償請求のリスクは基本的に低い

「試用期間中に辞めたら、会社から損害賠償を請求されるのでは?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、その可能性は極めて低いと言えます。

労働者には「退職の自由」が法律で保障されており、適切な手続きを踏んで退職する限り、それを理由に損害賠償を請求することはできません。

損害賠償が認められるのは、以下のような極めて例外的なケースに限られます。

損害賠償が認められる例外的なケース
  • 重要な業務の引き継ぎを意図的に放棄し、会社に具体的な実害を与えた場合
  • 会社の機密情報を持ち出したり、顧客情報を不正に利用したりした場合
  • 長期間の無断欠勤を続けた場合

試用期間中の社員が、上記のような重大な損害を会社に与えるケースは考えにくいため、過度に心配する必要はありません。会社側が引き止めのための脅し文句として「損害賠償」という言葉を使うこともありますが、法的な根拠はほとんどないと考えてよいでしょう。

7試用期間中の退職が転職活動に与える影響と対策3選

試用期間中の退職が転職活動に与える影響と対策3選
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試用期間中に退職した場合、次の転職活動でその経歴がどのように評価されるかは、最も気になる点の一つでしょう。短期離職は一般的にネガティブな印象を与えがちですが、適切な対策を講じることで、その影響を最小限に抑えることが可能です。

ここでは、転職活動を成功させるための3つの重要な対策を解説します。

7-1【影響と対策1】履歴書・職務経歴書への記載は原則必要

たとえ1日でも在籍した会社は、原則として履歴書や職務経歴書に正直に記載する必要があります。短期間だからといって記載しないと、後々「経歴詐称」と判断され、内定取り消しや解雇の原因となるリスクがあります。

社会保険や雇用保険の加入履歴から職歴は判明するため、隠し通すことは困難です。

履歴書への書き方例
  • 令和〇年〇月 株式会社〇〇 入社
  • 令和〇年〇月 一身上の都合により退職

職務経歴書では、退職理由を簡潔に、かつ前向きな表現で補足すると良いでしょう。
例えば、「自身のキャリアプランと業務内容に相違があったため、早期に退職を決断いたしました」といった形です。

正直に記載することは、あなたの誠実さを示すことにも繋がります。隠すのではなく、事実としてきちんと向き合い、説明する準備をしましょう。

7-2【影響と対策2】面接では前向きな退職理由を準備する

面接では、短期離職の理由について必ず質問されます。この質問に対して、いかに前向きで説得力のある回答ができるかが、採用の可否を大きく左右します。

回答のポイント
  • 他責にしない: 「会社の〇〇が悪かった」という批判的な表現は避け、「自分の確認不足もあった」「自分のキャリアプランとは異なっていた」など、自分を主語にして話す
  • 学びに転換する: 「この経験を通じて、自分が本当にやりたいこと、大切にしたい価値観が明確になりました」と、短期離職を自己分析の機会としてポジティブに捉えている姿勢を示す
  • 志望動機につなげる: 「だからこそ、〇〇という強みを持つ御社で、自分のスキルを活かして貢献したいと強く思いました」と、退職理由と志望動機に一貫性を持たせる

採用担当者は、あなたが失敗から何を学び、次にどう活かそうとしているかを見ています。反省と未来への意欲をセットで語ることで、短期離職のネガティブな印象を払拭し、むしろ成長意欲の高い人材として評価される可能性があります。

7-3【影響と対策3】短期離職の理由を納得できる形で説明する

前向きな理由を準備することに加え、その内容に客観的な事実と一貫性を持たせ、採用担当者が「なるほど、それなら仕方ない」と納得できる形で説明することが重要です。

例えば、「社風が合わなかった」という理由であれば、「前職は個人で成果を追求する文化が強く、それはそれで学びがありましたが、私はチームで協力しながら目標を達成することにやりがいを感じるタイプだと再認識しました。御社のチームワークを重視する文化に強く惹かれています」というように、具体的なエピソードや自己分析の結果を交えて説明します。

「求人内容と違った」という理由であれば、「マーケティング職として入社しましたが、実際の業務は営業事務が中心でした。この経験から、自分が本当にやりたいのはデータ分析に基づいた戦略立案であると明確になりました」と、事実を淡々と述べ、それをどうキャリアプランにつなげたかを語ります。

感情論ではなく、事実に基づいた冷静な分析と、それを未来に繋げる建設的な姿勢を示すことで、あなたの説明は説得力を持ち、採用担当者の理解を得やすくなるでしょう。

8試用期間中に退職を決断する前に検討すべきこと3選

試用期間中に退職を決断する前に検討すべきこと3選
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「もう辞めたい」という気持ちが強くなると、衝動的に退職届を出してしまいがちです。しかし、一度立ち止まって冷静に状況を見つめ直すことで、後悔のない選択ができるようになります。

退職という大きな決断を下す前に、ぜひ検討してほしい3つのポイントをご紹介します。

8-1【検討すべきこと1】上司や人事に相談して改善の余地があるか確認する

あなたが抱えている問題は、もしかしたら会社に相談することで解決できるかもしれません。退職を決める前に、一度、直属の上司や人事担当者に相談の場を設けてもらいましょう。

例えば、「業務内容が想定と違う」と感じているなら、今後のキャリアパスについて相談することで、部署異動や担当業務の変更といった道が開ける可能性があります。「人間関係に悩んでいる」のであれば、相談することで上司が間に入ってくれたり、配置転換を検討してくれたりするかもしれません。

もちろん、相談したからといって必ずしも問題が解決するとは限りません。しかし、何も伝えずに辞めてしまうと、「相談してくれれば、何かできたかもしれないのに」と会社側に思われる可能性もあります。

一度相談というステップを踏むことで、自分の中でも「やれることはやった」と納得感が得られ、次のステップへ進みやすくなります。

8-2【検討すべきこと2】試用期間終了まで様子を見る選択肢も検討する

入社直後は、新しい環境や人間関係、慣れない業務にストレスを感じるのは当然のことです。「合わない」と感じる原因が、単に環境に慣れていないだけという可能性もあります。

もし、ハラスメントや明らかな労働条件違反といった深刻な問題ではない場合、試用期間が終了するまでもう少し様子を見るという選択肢も検討してみましょう。

時間が経つにつれて、以下のような変化が起こるかもしれません。

  • 人間関係が構築されてくる
  • 仕事に慣れて面白さが見えてくる
  • 会社の良い部分が見えてくる

衝動的に辞めてしまった後で、「もう少し頑張れば良かったかも」と後悔するのは避けたいものです。「〇カ月後の自分はどう感じているだろうか」と少し長期的な視点を持ち、冷静に判断する期間を設けることも大切です。

8-3【検討すべきこと3】次の転職先の目処を立ててから退職する

試用期間中に退職する場合、失業保険(基本手当)を受給できない可能性が高いです。そのため、次の転職先が決まらないまま退職すると、収入が途絶え、経済的にも精神的にも追い詰められてしまうリスクがあります。

焦りから、また自分に合わない会社を選んでしまい、短期離職を繰り返すという悪循環に陥ることも少なくありません。

このような事態を避けるためにも、できれば在職中に転職活動を始め、次の転職先の目処を立ててから退職するのが理想的です。

  • 転職サイトに登録して求人情報を収集する
  • 転職エージェントに相談してキャリアの方向性を整理する

など、まずは情報収集から始めてみましょう。次の選択肢があるという安心感は、現在の職場に対する見方を変えるきっかけになるかもしれませんし、退職交渉の際にも精神的な余裕を持つことに繋がります。

9まとめ

本記事では、試用期間中の退職について、法的な知識から具体的な伝え方、転職活動への影響まで幅広く解説しました。

結論として、試用期間中の退職は法律で認められた労働者の権利です。「会社に合わない」と感じた場合、早期に決断することは、あなた自身と会社の双方にとって合理的な選択となり得ます。

重要なのは、円満退職を目指し、社会人としてのマナーを守ることです。退職の意思は早めに直属の上司に伝え、理由は前向きな表現に変換し、可能な範囲で引き継ぎに協力する姿勢を見せましょう。

短期離職の経歴は転職活動で不利になる可能性もありますが、その経験から何を学び、次にどう活かしたいかを明確に説明できれば、乗り越えることは十分に可能です。

もし、どうしても自分で退職を切り出せない場合は、退職代行サービスという選択肢もあります。一人で抱え込まず、この記事で得た知識を活用して、後悔のない次の一歩を踏み出してください。

10よくある質問

Q

試用期間中に退職すると損害賠償を請求されることはありますか?

A

適切な手続きを踏んで退職する限り、損害賠償を請求される可能性は極めて低いです。労働者には「退職の自由」が保障されています。ただし、意図的に業務の引き継ぎを放棄して会社に実害を与えた場合や、会社の機密情報を持ち出した場合など、悪質なケースでは請求されるリスクもゼロではありません。

Q

試用期間3カ月で辞めるのは早すぎますか?

A

早すぎるということはありません。試用期間は、労働者と企業がお互いの相性を見極めるための期間です。3カ月間働いてみて「合わない」と判断したのであれば、それは合理的な決断と言えます。無理に働き続けて心身を壊すよりも、早期にキャリアを修正する方が、長期的に見てあなたのためになります。

Q

試用期間中の退職は会社都合になりますか?

A

労働者自らの意思で退職を申し出た場合は「自己都合退職」となります。ただし、求人内容と実際の労働条件が著しく異なる、パワハラが横行しているなど、会社側に明確な原因があって退職せざるを得ない場合は「会社都合退職」として扱われる可能性があります。その際は、ハローワークなどに相談することをおすすめします。

Q

試用期間中に退職した場合、失業保険はもらえますか?

A

試用期間のみの在籍ではこの条件を満たせないため、通常は受給できません。失業保険(雇用保険の基本手当)を受給するには、自己都合退職の場合「離職日以前2年間に、被保険者期間が通算して12カ月以上」あることが必要です。ただし、離職から次の就職までの空白期間が1年以内であれば前職の加入期間が考慮され、この場合は失業保険をもらえる可能性があります。

Q

試用期間中の退職を伝えるタイミングはいつが適切ですか?

A

法律上は、退職希望日の2週間前までに伝えれば問題ありません。しかし、円満退職を目指すのであれば、会社の就業規則を確認し、「1カ月前まで」などの定めがあればそれに従うのが望ましいです。決意が固まったら、できるだけ速やかに直属の上司にアポイントを取り、相談しましょう。


MeChoice転職・仕事班
執筆者

MeChoice転職・仕事班経営者・採用担当

年間200人以上の面接経験を持ち、転職希望者や社員のキャリア形成に向き合ってきた専門家。金融・経済分野での経験と経営者としての視点から、実践的で信頼性の高いキャリアアドバイスを提供している。

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