
ソフトバンクG、4180億円の個人向け劣後債を発行へ!利回りの仮条件は年4.65%〜5.25%

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ソフトバンクグループ(SBG)は30日、個人投資家を対象とした大規模な社債発行の仮条件を提示しました。
今回の銘柄は「第8回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)」という名称で、一般的な社債よりも高い利率が期待できる反面、特殊な仕組みを持つ「劣後債(ハイブリッド証券)」の一種です。
債券のベテラン記者が、今回の発行内容と、投資を検討する際の判断材料を整理して解説します。
今回の発行条件:4,180億円の巨額起債

提示された最新の募集要項に基づき、主な条件をまとめました。
内容 | |
銘柄名 | 第8回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付) |
発行総額 | 4,180億円 |
償還期限(期間) | 2061年4月22日(35年債) |
仮条件(利率) | 当初5年間:年4.65%〜5.25%(2026年4月10日決定予定) |
最低投資金額 | 100万円 |
信用格付 | BBB+(JCRによる予備格付) |
実質5年の「35NC(ノンコール)5劣後債」
債券投資とは、企業などにお金を貸し、その対価として定期的に「利息」を受け取り、あらかじめ決められた期日(満期)に貸したお金(元本)が戻ってくる運用手法です。
今回のSBG社債は、以下の点で一般的な社債と異なります。
弁済順位が低い(劣後特約)
万が一、発行体が倒産などの事態(劣後事由)に陥った際、この社債の保有者への支払いは、銀行借入や普通社債などの「上位債務」よりも後回しにされます 。
このリスクを引き受ける対価として、高い利率が設定されています。
実質的には5年債かつステップアップ条項付き
本債券は満期まで35年(2061年)の超長期債ですが、発行から5年後の2031年にSBGが任意償還できる権利を持ちます。
最大の特徴は「ステップアップ条項」です。
5年後に償還されない場合、支払利息の上乗せ幅が段階的に拡大する仕組みです。
この金利負担増を避けるため、発行体は5年で償還・借換えを行う強い動機を持つことになり、実質的には「5年債」に近い感覚で運用されます。
利払いの繰延が可能
SBG側の裁量により、利息の支払いを一時的に先送りにできる「利払繰延条項」が含まれています。
大和証券やみずほ証券、SBI証券などで購入可能
購入を検討する場合、まずはスケジュールと窓口を確認する必要があります。
申込期間:2026年4月13日(月)〜4月21日(火)
取扱証券会社:大和証券、みずほ証券、SBI証券、東海東京証券、岡三証券、水戸証券、岩井コスモ証券
購入の手順:取扱証券会社に口座を保有している必要があります。利率が最終決定する4月10日以降、目論見書の内容を改めて確認し、申込期間内に手続きを行います
投資家が注目すべき3つのポイントは?
① 「5年後」の期限前償還(任意償還)
この社債の満期は35年後の2061年ですが、発行から5年後の2031年4月22日、およびそれ以降の各利払日に、SBGの選択によって元本を繰り上げて償還できる権利(コール条項)が付いています 。投資家は35年間の保有を前提とするのではなく、まずは「5年で償還される可能性」を念頭に置くのが一般的です。
② 5年目以降の金利改定(ステップアップ)
もし5年後に償還されず継続された場合、利率は固定から「1年国債金利」に連動する変動金利へと切り替わり、さらに上乗せ幅(スプレッド)が段階的に拡大(ステップアップ)する仕組みとなっています。
③ 資金の使途
今回の調達資金4,180億円は、2026年6月に初回任意償還日が到来する「第5回劣後債」の借換え資金、および運転資金に充当される予定です 。これは既存の負債を円滑に借り換える財務戦略の一環です。
まとめ
SBGの第8回劣後債は、仮条件で年5%前後という高い利回りが魅力ですが、35年という非常に長い償還期間や劣後債特有のリスクを正確に理解する必要があります。
自身の資産ポートフォリオにおけるリスク許容度と照らし合わせた慎重な判断が求められます。
参考

高原祥子記者
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』のLIMO編集部に所属し、LIMOでも記事を執筆している。
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