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【2026年3月決定】地方債2.273% vs 国債1.40%!利回り低下でも「買い」はどっち?「高利回り固定」と「変動」の賢い使い分け

【2026年3月決定】地方債2.273% vs 国債1.40%!利回り低下でも「買い」はどっち?「高利回り固定」と「変動」の賢い使い分け

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2026年3月4日、個人向け国債と3月の地方債の利率が決定しました。

長期金利が右肩上がりのトレンドを描くなか、国債や主要自治体が発行する地方債の利率は、数年前の状況からは考えられないほど魅力的な水準へと跳ね上がっています。

本記事では、最新の利率データを徹底分析。地方債と個人向け国債、それぞれの特徴を比較しながら、今のマーケット環境で債券をどう資産運用のポートフォリオに組み込むべきか、その最適解を探ります。

今月発行される債券の注目ポイントを、以下の3点にまとめました。

  • 3月募集の個人向け国債、変動10年債の利率は1.40%
  • 定例の10年物地方債、利回りが2.2%台後半に

2026年3月発表の最新利回り:国債と地方債の現在地

3月4日、財務省および各自治体から発表された10年物債券の条件は以下の通りです。

債券の種類

利回り(税引前・年率)

金利タイプ

個人向け国債(変動10年)

1.40%

半年ごとに適用利率が見直される変動型

千葉県債(10年)

2.273%

固定金利

広島県(10年)

2.273%

固定金利

地方債は基本的には機関投資家向けですが、一部は個人投資家に向けにも販売されています。

上記のラインナップでは、千葉県債が一部のネット証券で取り扱いがあります。

地方債と個人向け国債を比較検討する際、単なる「利回りの差」だけで判断するのは得策ではありません。

両者の間には、「流動性」「安全性(信用力)」、そして何より「金利タイプ(固定か変動か)」という決定的な違いが存在するからです。

2026年2月条件決定分(10年債)の利回り一覧

債券の種類

利回り(税引前・年率)

金利タイプ

個人向け国債(変動10年)

1.48%

半年ごとに適用利率が見直される変動型

埼玉県債(10年)

2.382%

固定金利

愛知県債(10年)

2.386%

固定金利

横浜市債(10年)

2.386%

固定金利

次に2月4日に条件決定した前回債の利回りと比較してみましょう。

個人向け国債(変動10年)の初回適用利率は2月に1.48%だったものが、3月は1.40%と、0.08%下回りました。

地方債は、2.382~2.386%だったところから、2.273%と、0.109~0.113%低くなっています。

これは利率を決めるベースとなる10年国債の利回りが低下したことが影響しています。

政府が2月25日に提出した日本銀行の次の審議委員案において、金融緩和や財政出動に積極的な「リフレ派」とみられるメンバーが含まれていたことから、足元では早期の利上げ観測が後退しています。

新発10年国債の利回りは、2月債の条件決定前日(2月3日)は2.26%近辺で推移していましたが、3月債の条件決定前日(3月3日)は2.15%近辺へとシフトしました。

地方債と個人向け国債:3つの決定的な違い

投資判断を下す前に、まずは両者の特性を正しく理解しておきましょう。

個人向け国債(変動10年)

地方債(主要自治体)

信用力

国家による保証(最高水準)

自治体による保証(国に準ずる)

流動性

発行後1年で国が買取り保証

市場での売却(価格変動リスクあり)

金利タイプ

変動金利(半年ごとに見直し)

固定金利(満期まで変わらない)

「安全性」と「換金のしやすさ」の差

信用力においては、国が発行する国債が世界最高水準であることは間違いありません。一方の地方債も、日本の制度上、極めて高い安全性を誇りますが、厳密には発行体(自治体)ごとに財政状況が異なります。

また、個人向け国債は「発行後1年経てば国が額面で買い取ってくれる」という強力な流動性がありますが、地方債を中途換金する場合は市場価格での売却となるため、元本を割り込む可能性がある点に注意が必要です。

「固定」か「変動」かという戦略的選択

2026年3月現在の金利上昇局面において、最も重要なのがこの視点です。

  • 個人向け国債(変動10年):今後さらに金利が上がれば、受け取る利息も自動的に増えていきます。いわば「インフレに強い攻めの守り」です

  • 地方債(固定): 発行時の高い利率が満期まで約束されます。将来的に金利が低下に転じたとしても、現在の高水準を維持できる「収益確定の守り」といえます

自身の「投資スタンス」に合わせた軸を持つ

これらの違いを踏まえ、ご自身がどちらのタイプに近いかを考えてみてください。

  • 「金利上昇の恩恵を逃したくない」なら……

    個人向け国債(変動10年)を主軸に据えましょう。将来、さらに長期金利が上昇した際、そのトレンドを自動的に取り込める安心感があります

  • 「今の高い利率を長期間確保したい」なら……

    主要自治体の地方債が有力な候補となります。数年前には考えられなかった現在の利回り水準で「将来の利益」を今、確定させてしまう戦略です

債券投資において大切なのは、周囲の意見に流されることではなく、「その資金をいつ、どのような目的で使いたいのか」というご自身のライフプランに照らし合わせ、納得感のある「軸」を持つことです。

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ネット証券が変えた、地方債投資の「新常識」
高原祥子
執筆者

高原祥子記者

立教大学卒業後、海外専門の旅行会社に就職し、その後旅行業界専門誌の記者に転身。
企業決算の記事などを手掛けるうちに金融マーケットに興味を持つようになり、株式や債券の発行市場をカバーする金融専門誌の記者に転職。債券市場の動向や市況について、10年以上にわたって数多くの記事を機関投資家に向けて日経QUICKやブルームバーグ等へ執筆した。その後、株式会社フィスコでアナリストが執筆する企業調査レポートの編集を手掛けるとともに、決算などIR情報の発信業務に携わる。

現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』のLIMO編集部に所属し、LIMOでも記事を執筆している。

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