インフレが声高に叫ばれる現在、資産運用をプロに任せられる投資信託を検討している方は多いでしょう。

投資信託の購入方法には「一括購入」と「つみたて投資」の2種類があり、なかでも毎月100円などの形でコツコツ購入していく「つみたて投資」は初心者の方にオススメです

つみたて投資には、口座振替よりも、便利かつポイント還元がお得なクレジットカードの利用を検討しましょう。

今回は投資信託のつみたて投資に興味を持っている方に向けて、おすすめの「クレジットカード×証券会社」の組み合わせ5選を紹介します。つみたてNISAなどで投資信託の運用を検討している方はぜひ参考にしてください。

この記事を読んでわかること
  • 投資信託の積立投資にクレジットカードを使うべき理由
  • 「証券会社×クレジットカード」の選び方
  • おすすめの「証券会社×クレジットカード」の組み合わせ
INDEX
1.
投資信託の購入にはクレジットカードがおすすめの理由
1-1.
1. クレジットカードのポイントがたまる
1-2.
2. 毎回の購入を自動化できる
2.
「証券会社×クレジットカード」の組み合わせの選び方
2-1.
1. 貯めたいポイントで選ぶ
2-2.
2. 投資信託のラインナップの充実度で選ぶ
3.
投資信託のつみたて投資にオススメの「証券会社×クレジットカード」4選
3-1.
1. SBI証券×三井住友カード
3-2.
2. マネックス証券×マネックスカード
3-3.
3. 楽天証券×楽天カード
3-4.
4. auカブコム証券×au PAY カード
4.
クレジットカード決済で投資信託を買う際の注意点
4-1.
1. 金額の上限が決まっている
4-2.
2. 買付日は固定になる
4-3.
3. ショッピング枠に余裕を持たせる必要がある
5.
つみたてNISAもクレジットカード決済がおすすめ
6.
【まとめ】投資信託のつみたて投資はお得で便利なクレカ決済で
7.
参考資料
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監修者
和知 健次CFP及び1級FP技能士
株式会社FPキューブ代表取締役。個人のライフプラン・資産形成の相談や、法人の確定拠出年金導入支援、高校・大学での金銭教育や進路相談会の資金計画授業、自治体主催の金融教育セミナーなどを実施。CFP及び1級ファイナンシャル・プランニング技能士

1投資信託の購入にはクレジットカードがおすすめの理由

投資信託の購入方法は、銀行振込や口座引き落とし、電子マネーなどがありますが、もっともおすすめなのはクレジットカードです。ここでは、クレジットカードでの購入がおすすめの2つの理由について詳しく解説します。

この章の目次

1. クレジットカードのポイントがたまる

クレジットカードで投資信託を購入すると、カード会社が提供するポイントが貯まるのが大きなメリットです

カードの利用で得たポイントはコンビニやネットショッピングの買い物に使えるほか、証券会社によっては投資信託の買付にも利用できます。

2. 毎回の購入を自動化できる

つみたて投資は一定間隔・一定金額で銘柄を購入していく投資スタイルです(毎月5000円など)。つみたて投資の決済方法はさまざまありますが、最も便利なのはクレジットカード決済です。

証券口座からの自動引き落としもできますが、毎回の入金手続きがかかります。クレジットカード決済であれば、こうした手続が不要となるため便利です。

2「証券会社×クレジットカード」の組み合わせの選び方

投資信託をクレジットカードで購入する場合、証券会社によって相性が良いカードがあります。相性の良いカードを利用すればポイント還元率が高く、資産運用しながら多くのポイントも貯まり一石二鳥です。

ここでは、証券会社とクレジットカードの組み合わせの選び方を紹介します。

この章の目次

1. 貯めたいポイントで選ぶ

投資信託を購入する証券会社を選ぶ際には、貯めたいポイントに合わせて選ぶのがおすすめです。

主要なネット証券の対応クレカ・ポイントを比較してみましょう。

証券会社 対応クレカ ポイント還元率 ポイントの用途(例)
楽天証券 楽天カード(楽天ポイント) 0.5~1% ・ポイント投資
・楽天市場
auカブコム証券 au PAYカード(Pontaポイント) 1% ・ポイント投資
・Ponta提携社
・au PAYマーケット
SBI証券 三井住友カード(Vポイント) 0.5~5% ・ポイント投資
・コンビニ
・ネットショッピング
・キャッシュバック
東急カード(TOKYU POINT) 0.25~3% ・PASMOにチャージ
・TOKYUポイント加盟店でのショッピング
タカシマヤカード 毎月の積立金額の
0.1%(1,2年目)
0.2%(3,4年目)
0.3%(5年目~)
・ポイント投資
・高島屋
・高島屋グループの専門店
tsumiki証券 エポスカード(エポスポイント) 年間の積立金額の
0.1%(初年度)
0.2%(2年目)
0.3%(3年目)
0.4%(4年目)
0.5%(5年目以降)
・ポイント投資
・プリカへの移行
・マルイの店舗やネットショッピング
セゾンポケット セゾンカード(永久不滅ポイント) 0.1~0.5% ・ポイント投資
・オンラインストア
・ふるさと納税
・キャッシュバック
マネックス証券 マネックスカード(マネックスポイント) 1.1% ・ポイント投資
・AmazonギフトカードやTポイントへの交換

上記のように1つの証券会社で複数のクレカに対応している場合もあるので、特に貯めたいポイントがなければ複数のクレカに対応する証券会社を選ぶのも良いでしょう。

2. 投資信託のラインナップの充実度で選ぶ

投資信託には5955本の銘柄がありますが(2023年1月末現在)、各証券会社がすべての銘柄をラインナップしているわけではありません。さらに、積立設定が可能な銘柄に限定すると、対応数が少ない証券会社もあります。

以下は主要なネット証券の「積立設定が可能な銘柄」です。ぜひ証券会社選びの参考にしてください。

証券会社 対応クレカ 積立設定が可能な銘柄
楽天証券 楽天カード 2488銘柄
auカブコム証券 au PAYカード 1631銘柄の内積立が可能な銘柄
SBI証券 三井住友カード 2452銘柄
東急カード
タカシマヤカード
UCSマークの付いたカード
アプラスゴールドカード
APLUS CARD with
大丸松坂屋カード
tsumiki証券 エポスカード 5銘柄
セゾンポケット セゾンカード 2銘柄
マネックス証券 マネックスカード 1284銘柄

※2023年4月時点のデータ
※すべての銘柄がクレカ積立に対応しているとは限りません。

対応する銘柄が多ければ、投資目的により近い商品を選べるでしょう。特に投資する商品が決まっていない場合は、対象銘柄数が多い「楽天証券」「SBI証券」をおすすめします

3投資信託のつみたて投資にオススメの「証券会社×クレジットカード」4選

つみたて投資を始める際には、利用する証券会社選びが重要になります。さらに、クレジットカード決済で投資信託を購入するなら、証券会社との相性を踏まえて選ぶのがおすすめです。

ここでは、つみたて投資におすすめの「証券会社×クレジットカード」の組み合わせを4つ紹介します。

この章の目次

1. SBI証券×三井住友カード

クレジットカードで投資信託を購入するなら、「SBI証券×三井住友カード」がもっともおすすめの組み合わせです。SBI証券は取り扱っている投資信託数が多く、つみたてNISA銘柄も様々なラインナップが揃っています

項目 内容
投資信託ラインナップ ・積立銘柄:2488銘柄
・つみたてNISA:192銘柄
積立上限金額 100円~5万円
クレカ還元率 0.5~5%
貯まるポイント Vポイント
主なポイント用途 ・ポイント投資
・対象の店舗やネットショッピングでの決済など

投資信託の買付方法として三井住友カードを設定すると、カードのランクに応じて最大5%のポイントが還元されます

貯まったポイントはポイント投資に利用できるだけでなく、1ポイント1円としてVisaのタッチ決済やネットショッピングなど様々な用途に利用可能です

どの証券会社で投資信託を購入するか悩んだら、「SBI証券×三井住友カード」を検討してみてください。

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2. マネックス証券×マネックスカード

「マネックス証券×マネックスカード」もポイントを貯めやすい組み合わせの1つです。ポイント還元率は常に1.1%と、他社よりやや高い設定でポイントを貯めやすくなっています

項目 内容
投資信託ラインナップ ・積立:1284銘柄
・つみたてNISA:167銘柄
積立上限金額 1000円~5万円
クレカ還元率 1.1%
貯まるポイント マネックスポイント
主なポイント用途 ・Amazonギフト券への交換
・投資信託の買付
・株式手数料への充当

銘柄数はSBI証券に比べるとやや劣るものの、多くの銘柄がつみたてNISAに対応している点は魅力です。

さらに、貯まったポイントはAmazonギフト券やTポイントなどへの交換や、株式手数料への充当にも使えます。

投資信託だけでなく個別株も検討しているなら、「マネックス証券×マネックスカード」の組み合わせがおすすめです

3. 楽天証券×楽天カード

楽天証券はSBI証券に次ぐ銘柄数の多さで、取引スタイルに合わせた投資先を選びやすいのが魅力です。さらに、楽天カードで支払いを行なった場合、最大1%のポイントが還元されます

項目 内容
投資信託ラインナップ ・積立:2488銘柄
・つみたてNISA:190銘柄
積立上限金額 100円~5万円
クレカ還元率 0.5~1%
貯まるポイント 楽天ポイント
主なポイント用途 ・ポイント積立
・楽天市場での決済

貯まった楽天ポイントは、ポイント投資や楽天市場でのショッピングに使えるため、利用先に困ることはないでしょう。

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  • 提携店が多くポイントが貯めやすい
  • 通常ポイントは有効期限が更新される
  • 2枚目のカード発行可能

4. auカブコム証券×au PAY カード

「auカブコム証券×au PAY カード」もおすすめの組み合わせの1つです。

au PAYカードを使って決済すると、毎月の積立額の1%が常に還元されます。さらに、つみたてNISAの銘柄数はSBI証券に匹敵するラインナップで、投資目的に合わせて選択しやすいのが魅力です。

項目 内容
投資信託ラインナップ ・積立:1631銘柄の内積立が可能な銘柄
・つみたてNISA:187銘柄
積立上限金額 100円~5万円
クレカ還元率 1%
貯まるポイント Pontaポイント
主なポイント用途 ・ポイント投資
・全国のPonta提携社

貯まったPontaポイントは、ポイント投資として投資信託やプチ株の購入に利用できます。さらに、全国のPonta提携社でも利用できるため、使い道に困る心配はないでしょう。

普段からPontaポイントを貯めている方やPonta提携社をよく利用する方には「auカブコム証券×au PAY カード」の組み合わせをおすすめします

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4クレジットカード決済で投資信託を買う際の注意点

クレジットカード決済で投資信託を購入する際には、3つの注意点を確認しておきましょう。注意点を確認せずにクレジットカードで投資信託を購入すると、思わぬトラブルにつながりかねません。事前に注意点を確認しておけば、失敗するリスクを抑えられるでしょう。

この章の目次

1. 金額の上限が決まっている

クレジットカードで投資信託を購入する際、金額には上限があります。上限はクレジットカードの利用限度額や金融機関によって決められているため、事前に確認しておくことが重要です。また、積立投資を行う場合も、積立額が月々の利用限度額を超えないように計画的に設定することが求められます。

2. 買付日は固定になる

クレジットカードで投資信託を購入する場合、基本的には買付日を変更することはできません。証券会社ごとに買付日が決まっているため、原則変更できないと認識しておきましょう。

3. ショッピング枠に余裕を持たせる必要がある

クレジットカードで投資信託を購入する際は、ショッピング枠を利用します。そのため、ショッピング枠の残高に余裕がなくなると、決済できなくなるので残高管理には注意が必要です。

投資信託購入によりクレジットカードの利用額が増加することでショッピング枠が不足すると、他のショッピングやサービス利用が制限される場合があります。これを避けるためには、投資信託購入と他の利用をバランスよく計画し、ショッピング枠を適切に管理することが大切です。

与信状況によってはカード利用枠の拡大もできるので、その点もあわせて検討してみることをおすすめします。

5つみたてNISAもクレジットカード決済がおすすめ

つみたてNISAは、年間40万円までの投資信託などの対象商品を運用することで発生した利益に対して、20年間税金がかからない制度です。つまり、投資信託の運用で発生した利益は非課税となり、利益をそのまま再投資できます。そのため、通常の投資信託よりも効率的に資産形成を行えるのがメリットです。

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出所:金融庁「つみたてNISAの概要」

つみたてNISAでもクレジットカード決済がおすすめな理由は、通常の投資信託購入と同様に、クレジットカードのポイントが貯まることでさらにメリットを享受できる点や、購入の自動化ができる点です。これにより、忙しい方でも手間をかけずに資産運用が行えるうえ、ポイントを利用して実質的な投資コストを削減できます。

さらに来年から始まる新NISAにおいては非課税枠が増額されるので、しっかりと調べておきたいですね。

<主要ネット証券4社のつみたてNISA対応状況>

証券会社×カード名 対応状況
SBI証券×三井住友カード
楽天証券×楽天カード
マネックス証券×マネックスカード
auカブコム証券×au PAYカード

6【まとめ】投資信託のつみたて投資はお得で便利なクレカ決済で

投資信託のつみたて投資は、初心者でも始めやすく、長期的な資産形成に適しています

長期的な資産形成を目的に投資信託を購入するなら、口座振替でも資産形成できますが、払い方を選択できるのであればクレジットカード決済がおすすめです。

クレジットカードで投資信託を購入すると、ポイントが貯まることでよりメリットがあります。さらに、毎回の購入を自動化できるため、手間をかけずに資産運用が行える点も魅力の1つです

貯めたいポイントや利用したい証券口座の観点から自分に最も合った「クレジットカード×証券会社」の組み合わせを見つけましょう。

なお、もし迷った場合はSBI証券もしくは楽天証券から選ぶことをおすすめします。いずれも充実の投資信託ラインナップと高いポイント還元率が魅力の証券会社です。

投資信託などへの資産形成はこの数年活発になってきています。今回は「手段」としての払い方に注目しました。
口座振替、クレジットカードなど様々な支払い方が増えてきましたが、その特典は各々メリットがあり、非常に選びづらくなってきているかと思います。
皆さまの生活特性や重点的にためているポイントなどを選択し、よりメリットのある選択をしていく必要があります。

「目的」「本体」として、どのような資産形成手段を選ぶのか、どのような投資信託を選ぶのかということと、「手段」として、どのような支払方法でポイントを貯めるのか、それを総合的に考え、より良いメリットを享受することがより重要となってきます。

時代の動きが早くなってきていますので、数年前には一般的だったこともすぐに陳腐化してきてしまいます。
よりメリットを享受するためにも、常に最新の情報にアップデートしていきましょう。

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和知健次

 

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