
厚生年金保険料はどう決まる?意外と知らない計算方法。手取り減少分のカバー術つき

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昇給しても社会保険料や税金の負担があがることで、額面と手取りのギャップに悩む会社員は少なくありません。
中でも厚生年金保険料の負担は重く、「どのように計算して決められるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
本記事では、厚生年金保険料がどうやって決まるのか、その算出方法から、パートや65歳以上の方に向けたシミュレーション、さらには将来の受給額まで詳しく解説します。
年金保険料の負担は重いものの、個人の自由でストップすることはできません。
「減ってしまった手取り」を実質的にカバーするための方法のひとつとして、記事の後半では高還元クレジットカードの賢い活用法もご紹介します。
家計改善のためにできることとして、日々の支払い方法を見直すきっかけにしてみましょう。
厚生年金保険料はどう決まる?算出方法や標準報酬月額を知ろう
本章では、厚生年金保険料の決まり方をわかりやすく解説していきます。
まず、保険料の計算に使われる「標準報酬月額」について押さえておきましょう。
「標準報酬月額」は4〜6月の給料で決まる
厚生年金保険料の計算に使われる「標準報酬月額」は、原則として4〜6月に支払われた給与の平均額をもとに決定されます。
これを「定時決定」と呼び、その年の9月から翌年8月までの「標準報酬月額」に適用されます。
この給与の中には、「残業代」や「通勤手当」も含まれます。
例えば3〜5月に繁忙期が重なり通常より多めに残業してしまうと、4〜6月支給の給与が高くなります。
この給与が1年分の「標準報酬月額」の算定基準となるため、その年の9月から翌年8月までの1年間、厚生年金保険料が高く設定され、手取りが減ってしまう原因になります。
給料から強制的に天引き!厚生年金保険料の基本的な計算式
では、この標準報酬月額は使って厚生年金保険料はどのように計算されるのでしょうか。
厚生年金保険料の算出方法は以下の通りです。
厚生年金保険料 = 標準報酬月額 × 保険料率(18.3%)
ただし、この金額を会社(事業主)と従業員で半分ずつ負担する「労使折半」の仕組みとなっているため、給料から実際に天引きされる自己負担分は「9.15%」です。
例えば標準報酬月額が30万円の場合、厚生年金保険料は月額5万4900円です。これを事業主と折半して支払うため、個人の負担額は月額2万7450円となります。
年収が高い人には保険料の上限がある?
厚生年金保険料には上限が設けられており、現在の標準報酬月額の上限は65万円(第32等級)となっています。
例えば、医師(勤務医)の方などは比較的年収が高くなりますが、月給が65万円以上であれば上限となります。つまり月給100万円でも200万円でも、天引きされる厚生年金保険料は月額5万9475円(自己負担分)で頭打ちになるということです。
収入に対する保険料の割合は、年収が上がるほどに実質的には下がっていくといえるでしょう。
注意:ボーナス(賞与)からも厚生年金が引かれる
少し前までは、ボーナスから年金保険料が引かれることはありませんでした。
しかし現在は「総報酬制」という仕組みが導入されており、ボーナスからも厚生年金保険料が天引きされます。
ボーナスにおいては「標準賞与額」が用いられ、給与と同じく18.3%(自己負担9.15%)をかけた金額が保険料となります(なお、標準賞与額には1ヶ月あたり150万円の上限が設けられています)。
【働き方・年代別】厚生年金保険料のシミュレーション3選
働き方や年齢によって、社会保険の加入条件や計算方法は異なるものです。そこで、具体的な3ケースを設定して保険料をシミュレーションしてみました。
ケース1:65歳以上も働き続ける場合の厚生年金保険料
65歳以上になっても会社員として働き続けるケースがあります。この場合、70歳になるまでは引き続き厚生年金に加入し、保険料を納めることになります。
65歳以上であっても、厚生年金保険料の計算方法は「標準報酬月額 × 9.15%(自己負担)」で変わりありません。
ただし、給与と受け取る老齢厚生年金の合計額が一定額を超えると、年金の一部または全部が支給停止になることに注意が必要です。
これは「在職老齢年金」という制度によるもので、働くシニアはどれほど働くのかを工夫する必要があるのです。
ケース2:パートやアルバイトが「年収の壁」を超えた場合の厚生年金保険料
パートやアルバイトなどにより、これまで扶養の範囲内で働いていた人が、「106万円の壁」や「130万円の壁」を超えるケースを考えてみましょう。
年収の壁を超えることによって勤務先の社会保険に加入した場合、厚生年金保険料はどれほどになるのでしょうか。
例えば、月収約9万円(年収108万円)で社会保険に加入したとします。標準報酬月額は8万8000円となるため、
厚生年金保険料(自己負担):8万8000円 × 9.15% = 月額8052円
月額8052円を支払うことになります。
なお、厚生年金に加入するときは原則として健康保険にも加入します。
健康保険料(自己負担):約4400円(※都道府県や加入する保険により異なる)
個人のケースによって異なりますが、およその目安が約4400円。年金保険料と合わせると、合計で毎月約1万2000円程度が引かれる計算になります。
手取り額が減る点には注意が必要ですが、将来の年金が増えるというメリットはあります。
ケース3:厚生年金に加入していたが独立して法人化する場合
少し特殊なケースにはなりますが、これまで会社員として厚生年金に加入していた人が、独立して法人化するケースも見ておきましょう。
基本的に厚生年金と健康保険はセットで加入する必要があるものの、厚生年金のみに加入できる可能性もあります。
例えば、建設業の「土建国保」や医療従事者の「医師国保」などの国民健康保険組合に加入したまま、法人として厚生年金のみに加入するケースなどにおいて、認められることがあります。
もし認められた場合は、「健康保険料は国保組合の定額料金を支払う」「厚生年金保険料だけは役員報酬(標準報酬月額)をもとに計算して納付する」ということが可能です。
役員報酬を低く設定することで、厚生年金の負担額を抑えつつ社会保険に加入できるメリットがあります。
ただしさまざまな条件があるため、誰もが認められるというわけではないので注意が必要です。
厚生年金の保険料「いままでいくら納付した?」確認する方法
「今まで自分がいくら厚生年金を払ってきたのか、累計の保険料納付額を知りたい」という方もいるでしょう。
手軽に確認できる方法は、毎年の誕生月に届く「ねんきん定期便」を確認することです。
また、マイナポータル経由で「ねんきんネット」にログインすることでも、過去の納付履歴が確認できます。
ねんきんネットであれば「将来の受給見込額」のシミュレーションも簡単に行うことができるので、老後対策の一歩として利用してみるのもおすすめです。
【もらえる年金】老齢厚生年金・遺族厚生年金の計算方法
ここまで厚生年金における「保険料として支払う金額」を見ていきました。
高い保険料を払っている分、将来いくらもらえるのかは気になるところです。ここでは老齢厚生年金・遺族厚生年金にフォーカスをあて、受給額の計算式を確認していきましょう。
将来もらえる「老齢厚生年金」の計算方法と受給額
まずは老後にもらえる「老齢厚生年金」です。原則として、厚生年金への加入期間と給与(納めた保険料)に応じて計算される「報酬比例部分」で計算されます。
平均標準報酬額 × 5.481 / 1000 × 加入月数(平成15年4月以降の加入期間)
平均標準報酬月額 × 7.125 / 1000 × 加入月数(平成15年3月以前の加入期間)
※上記の期間にまたがる場合は、合計額になります。
つまり、現役時代に高い給与をもらい、長く厚生年金保険料を納めるほど、将来の受給額が増える仕組みになっています。
将来もらえる「遺族厚生年金」の計算方法と受給額
一家の生計を支える会社員等が亡くなった場合、残された家族には「遺族厚生年金」が支給されます。
遺族厚生年金の計算方法は、亡くなった方の「老齢厚生年金の報酬比例部分の計算式で算出した額の4分の3」です。
遺族年金自体は非課税なので、税金がかかることはありません。
ただし、遺族自身の収入が一定以上ある場合、遺族自身の健康保険料等の支払いが必要になるケースがあるため「遺族年金をもらったら健康保険料はいくらになるのか」を別途確認しておくことが大切です。
厚生年金に「付加保険料」はある?ない?
将来の年金を増やす方法として、「付加保険料」の納付を検討する人もいるでしょう。月額400円を上乗せして払うことで、将来の年金を増やすという制度です。
しかし、付加保険料は国民年金のみの制度であるため、自営業などの「第1号被保険者」が対象です。
厚生年金に加入している会社員(第2号被保険者)は付加保険料を利用できないため、注意しましょう。
厚生年金保険料で手取り額が減った!カバーする賢い対策とは
厚生年金保険料の負担は、給与の約1割を占めるため少なくありません。しかし、会社員は個人の自由で給与天引きを止めることはできません。
そもそも老齢年金や遺族年金といった保障機能があるため、「損をしている」というわけでもないのです。
そこで、「他の支出を見直すことで、減ってしまった手取り分を取り戻す」という発想に切り替えることをおすすめします。
そのひとつとして、本章ではクレジットカードに焦点を当ててみます。
厚生年金保険料の納付には「クレジットカード」が使えない
そうは言っても、会社員の厚生年金保険料は給与天引き(特別徴収)で納めているため、「保険料をクレジットカード払いにすることでポイントを獲得する」という活用方法はできません。
そうではなく、日々の生活費の支払いにクレジットカードを活用することで、間接的に手取り減をカバーするという考え方になります。
固定費や税金をクレカに集約すれば実質手取りが増える可能性(会社員向け)
手取りが減った分をカバーするには、あらゆる支払いをクレジットカードに集約することで、ポイント還元を狙うのがおすすめです。
特に光熱費、スマホ代、食費などの生活費をすべて「高還元率のクレジットカード」に集約すれば、年間数十万円の決済で数千円〜数万円分のポイント還元も狙えます。中には還元率1.0%以上のカードもあるからです。
また、「ふるさと納税をクレカ決済で行う」のもおすすめです。
実質2000円の負担で豪華な返礼品がもらえる制度ですが、まず返礼品を食費の節約になるお米や肉などにします。さらにクレカ決済にすることで、寄付額に対してもポイントが付与されます。
社会保険料の負担は高いものの、クレジットカードの活用で負担感を大きく和らげることも可能なのです。
国民年金保険料なら「クレジットカード」が使える(独立・退職予定者向け)
先ほど、厚生年金保険料はクレカ払いができないといいました。
しかし、もし会社を辞めて「国民年金」に切り替えた場合、国民年金保険料はクレジットカードでの納付が可能です。
毎月約1万7000円以上もの負担になる国民年金保険料ですが、納付をクレジットカードで行えば、それだけで着実にポイントが貯まります。
現金払いよりも圧倒的にお得だといえるでしょう。
普段使いにおすすめ!高還元クレジットカード3選
減った手取りをポイントで賢く取り戻すためには、基本還元率が高いクレジットカードを選ぶのがカギです。
固定費の支払いに強いクレジットカードを3つ厳選しました。
楽天カード
おすすめの理由: 基本還元率1.0%。楽天市場での「ふるさと納税」と組み合わせることで、ポイントが驚くほど貯まり、食費の節約に直結します。
楽天カードの口コミ
リクルートカード
おすすめの理由: 年会費無料で基本還元率が1.2%と業界最高水準。どこで使っても高還元なため、支払先を気にせずにとにかく手取りの目減りをカバーしたい方に最適です。
リクルートカード

常時1.2%の高還元率なクレジットカード
公式サイトで申し込む- 年会費永年無料
- 基本のポイント還元率はいつでも1.2%
- 国際ブランドはVisaとMastercardとJCBの3種類
- ホットペッパービューティやじゃらんnetなどで最大3.2%還元
- 海外旅行傷害保険(最高2,000万円)と国内旅行傷害保険(最高1,000万円)が利用付帯
リクルートカードの口コミ
三井住友カード ゴールド(NL)
おすすめの理由: 年間100万円のご利用で10,000ポイント還元(※)。独立後の国民年金保険料の支払いや、日々の固定費をまとめるメインカードとして絶大な人気を誇ります。(※対象取引や算定期間等の実際の適用条件などの詳細は、三井住友カードのホームページを必ずご確認ください)
厚生年金保険料で減った手取りは「カバーできる!」
厚生年金保険料の計算方法について見ていきました。
保険料計算は「標準報酬月額」がベースとなっており、4〜6月の働き方やボーナスの額が大きく影響する
保険料の負担は大きいが、「老齢厚生年金」や「遺族厚生年金」として自分や家族を守るための重要なお金といえる
手取り減をカバーするには、高還元クレジットカードを活用した家計の防衛がおすすめ
まずは現在の支払い方法を一度見直してみましょう。その上で、ポイントが貯まりやすい高還元クレジットカードへの切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。
参考情報







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