投資初心者が新NISAでの投資信託選びで知っておきたい落とし穴

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当企画第一弾として、元機関投資家で日本株式の証券アナリストや世界株式のファンドマネージャーを経験されてきた株式会社ナビゲータープラットフォーム代表取締役の泉田良輔氏にお話を伺いました。

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泉田 良輔 CMA

慶應義塾大学卒業後、日本生命やフィデリティ投信にて証券アナリストやポートフォリオマネージャーとして従事。2013年に株式会社ナビゲータープラットフォームを設立。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
 

人生はじめての投資信託との出会い

泉田さんはナビゲータープラットフォーム(以下ナビプラ)を立ち上げるまで、ファンドマネージャーや証券アナリストとして従事されていました。資産形成に興味を持たれたのはどういったきっかけだったのですか?

 

泉田 大学3年ぐらいのときに、ピーター・リンチっていうフィデリティ(投信)のファンドマネージャーが書いた『ピーター・リンチの株で勝つ』っていう本を読んだのかきっかけですね。

それを見て、「企業調査って面白そうだな」と思いました。そして、自分も将来は、アナリストやファンドマネージャーになってみたいと思うようになりましたね。

最初に買った投資信託って何だったのでしょうか。

 

泉田 最初は、日系運用会社の日本株の大型株中心のアクティブファンドやそれこそフィデリティの中小型株のアクティブファンドを買ったのを覚えています。 

ただ、同じく大学生の時に「ウォール街のランダムウォーカー」を読んでいて、インデックスファンドがよいというのでTOPIXのインデックスファンドも買ってみました。まだ、インデックスファンドといっても買い付け手数料であったり、信託報酬も高かったですけどね。1990年代後半のころです。

90年代後半というと、ちょうどネット証券が出てきた頃なんですが、私は最初の証券口座は大学生の時に、大手証券会社の自由が丘支店で開設しましたね(笑)。

 

投資信託初心者がはまった落とし穴

泉田さんが投資初心者として投資信託をはじめてみて、失敗談などがあれば教えてほしいのですが。

 

泉田 ちょうど1990年後半から2000年にかけて、米国ではドットコム・バブルでしたし、日本も小型株などはかなり株価は好調でした。そうした市場環境の中で私も、米国のネット企業中心のアセクターファンドであったり、国内の中小型株のアクティブファンドに投資をしています。

ただ、米国のドットコムバブル崩壊をきっかけに、日本の市場も崩れてしまいました。その中でとあるインデックスファンドの基準価額が自分が買った値段の3分の1になってしまったんですよ。3分の1減ったんではなく、3分の1になったんです。

そのとき、あー、分散投資しているはずの投資信託も3分の1になっちゃうんだーって、思いました。それから、銘柄分散しているだけでは不十分だということに気づきました。

率直にお伺いしたいんですけど、投資の超初心者が資産形成を始めるうえでは何から始めればいいですか?

 

泉田 今だと、新NISA(新しいNISA)の「つみたて投資枠」をつかってつみたて投資を始めるのが定石でしょう。つみたて投資枠でつみたて投資ができるインデックスファンドは購入手数料も無料ですし、信託報酬も低水準のものが多いですから、投資初心者が始めるのには向いていると思います。

では、インデックスファンドは何がいいかというと、既に色々なところでいわれているのであえて私が言うまでもないですが、世界に分散投資をした投資信託であれば地域分散もできていますし、銘柄分散もできているので良いと思います。

ただ、注意点もあります。先ほどもお話ししたように、投資信託として銘柄数的には十分に分散投資をしているつもりでも、同じようなタイプの銘柄の投資比率が高いと、相場展開がそうした銘柄にとって良い方向に向かないときには大けがをすることがあります。

インデックスファンドに投資をしているからといって安心しないで、自分が投資をしている投資信託のスタイルがどうなっているのかのチェックはした方がいいですね。

 

3投資初心者は毎月いくら投資をした方がよいのか

インデックスファンド選びで気を付けるべき点は他にもありますか。

 

泉田 自分が気を付けている点としては、インデックスファンドにも品質(トラッキングエラー)があるということです。

インデックスファンドは信託報酬がかなり安くなったのであまり気にする必要はないのですが、それでもやはりベンチマークとのずれが最小化されているかというのは気になります。日本ではあまり議論されませんが、インデックスファンドにも品質があるので、興味があれば調べてみるのもいいかと思います。

また、インデックスファンドといっても株式市場全体を表しているという言い方もできますが、一方ではインデックス構成会社の基準を満たして組み入れられている銘柄の集まりともいえます

したがって、自分で個別銘柄に複数投資できるような環境の場合には、自分が好きな銘柄を好きな割合で投資するという選択肢もあるので、そのあたりは認識した上で保有するのがよいかと思います。

つみたて投資は毎月どれくらいを投資すればよいのでしょうか。

 

泉田 つみたて投資枠の制限がありますが、まずは自分が継続的につみたてに充てられる金額があるでしょうから、人ぞれぞれでしょうね。

一方で、自分が将来に準備したい金額を逆算して、毎月どれくらいの投資が必要かを導き出す方法もあります。その金額によって、毎月どうするかを決めるという方法もあります。

ただし、つみたて投資の前提は長期投資となるので、毎月一定額を数十年にわたって投資ができるのかということが大事となります。万が一の時にも投資ができる環境を整えておくということもあわせて大事だとお伝えしておきます。

4証券口座選びで気を付けておくべきこと

先ほどはじめは大手証券の支店で口座を開設されたということですが、現在証券会社選びをするとすれば、どういった点に気を付けておくべきでしょうか。

 

泉田 まずは、手数料でしょう。もっとも、多くのネット証券の競争により、幅広いメニューで手数料が下がったので、もはやその点は違いはあるものの、大きな選択の差にはならないでしょう。どちらかというとどういうサービスがあるのかという点に焦点が移動しているかと思います。

個人的には複数の証券会社の口座を開設して、それぞれの良いところを活用して利用しています。

最近では、証券会社選びの軸に、クレジットカードとポイント獲得の仕組みといったテーマが話題になりました。

 

泉田 投資に関連するものでいえば、「品ぞろえ的にはSBI証券」、「投資情報であれば楽天証券」、「ツール系だとマネックス証券」というように、人によってとらえ方は違うかもしれません。

 

最後に投資初心者向けに一言お願いします。

 

泉田 2018年にスタートしたつみたてNISAをきっかけにつみたて投資をはじめられた方も多いかと思います。

インデックスファンドは身近な金融商品のひとつです。分散投資しているから安心と思っている方もいるかもしれませんが、金融商品である以上、リスクがあります。

投資を始めると必ずしもいい時ばかりではありません。「ポジションをとっている」ということは忘れずに、良い意味での緊張感を忘れないことが大事でしょう。

その緊張感をきっかけとして投資の勉強が進んでいくといいかと思います。

  

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